地盤調査とは?調査の費用や方法、期間・結果の見方|地盤改良についても解説

目次
一建設の分譲戸建住宅
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住宅を建てる前に実施する事項の一つが地盤調査です。また、調査の結果次第では地盤改良もおこなわなければなりません。しかし、この地盤調査や地盤改良は、どのようなことがおこなわれるのかご存知ない方は多いでしょう。
そこで、この記事では住宅を建てる前に実施する地盤調査について、概要や必要性、実施するタイミング、調査にかかる日数や費用、調査結果に問題があった場合の地盤改良の方法を解説します。
1. 地盤調査とは

建売住宅を購入するときは、事前に地盤調査報告書を確認する必要があります。
地盤調査とは何でしょうか?なぜ必要なのでしょうか?以下で詳しく解説します。
1.1. 地盤調査の必要性
地盤調査とは、建物を建てる前に実施する地盤(土地)の調査のことを指します。
地盤が弱い土地に建物を建ててしまうと建物が傾いたり、土地の表面が徐々に沈んだりする危険性があります。このような危険を回避し、安全な土地に建物を建てるために地盤調査は必要です。
地盤調査では、具体的に以下のような項目をチェックします。
- 造成履歴(地形を整えた履歴)
- 地下水位(地表から地下水までの深さ)
- 地盤の強度
- 液状化のリスク
- 地層の構成 など
1.2. 地盤調査は法律で義務付けられている
2000年、阪神・淡路大震災をきっかけに建築基準法が改正されました。以降、住宅を建てる際は地盤調査が義務付けられています。
建築基準法施行令 第三十八条 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。 |
建築基準法施行令 第九十三条 地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によつて、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。 |
また住宅の品質確保の促進等に関する法律では、新築住宅の施工を請け負う事業者(ハウスメーカーや工務店など)は、10年間の住宅瑕疵担保責任を負うことが義務として定められています。
住宅の品質確保の促進等に関する法律 第九十四条 住宅を新築する建設工事の請負契約(以下「住宅新築請負契約」という。)においては、請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの(次条において「住宅の構造耐力上主要な部分等」という。)の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。次条において同じ。)について、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百十五条、第五百四十一条及び第五百四十二条並びに同法第五百五十九条において準用する同法第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。 |
住宅の品質確保の促進等に関する法律 第九十五条 新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第四百十五条、第五百四十一条、第五百四十二条、第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。 |
このため然るべきタイミングで地盤調査を実施し、指定された項目をチェックして住宅の安全を担保することが、住宅づくりに際して必要とされています。
2. 地盤調査が必要なタイミング
一般的に地盤調査は土地を購入してから、その土地に建物を建てるまでの間に実施します。
例外として土地の所有者である売り主から許可を得た場合は、土地の購入前でも地盤調査ができます。もしくは売り主が以前の地盤調査報告書を保管している場合、確認させてもらえるケースがあるため相談してみましょう。中古一戸建てを購入する場合も同様です。
また、建売住宅を購入する場合、すでに地盤調査が実施されている可能性が高いです。
3. 地盤調査の方法と特徴

地盤調査の方法は大きく三つに分けられます。それぞれ特徴を解説します。
3.1. SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)
住宅における最も一般的な地盤調査の方法です。先端がスクリュー状になっている鉄の棒(ロッド)を、機械で回しながら地中に差し込むことで地盤の状況を調べます。
リーズナブルで調査時間も2時間程度と短い一方で、土質の調査ができない、固い地層の調査には適さないなどの難点もあります。
3.2. ボーリング調査
マンションなどの大規模な建築物を建てる際に、主におこなわれる調査です。調査ポイントに高さ5mほどのやぐらを組み、地面に穴を空けながら、1mごとの地盤の硬さを測定します。
コストが大きい一方、地耐力と併せて土質も調査でき、地盤の液状化のリスクや土壌汚染、地下水位などさまざまなデータを得られます。
3.3. 表面波探査法
振動を起こす装置(振動機)と振動を受け取る装置(受信機)を地面に置き、振動が伝わる速度から地盤の強度を調査する方法です。
短時間で調査が完了する、地盤の硬度を正確に調べられるなどのメリットがあります。
ただし、地中に空洞があったり、物が埋まっていたりすると結果に影響してしまう点がデメリットです。このためすでに建物がある土地の地盤調査には向きません。
4. 地盤調査にかかる日数や費用
地盤調査にかかる日数や費用は調査方法によって異なります。
日数 | 費用 | |
---|---|---|
SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験) | 半日~1日程度 | 5万~10万円程度 |
ボーリング調査 | 1日~数日程度 | 20万~30万円程度 |
表面波探査法 | 半日~1日程度 | 8万〜12万円程度 |
SWS試験、表面波探査法はどちらもリーズナブルで、かつ調査にかかる日数が半日~1日程度と短めです。それに比べてボーリング調査は、場合によっては調査に数日を要し、費用も最低20万円程度と高めですが、より詳細かつ多くのデータを得られます。
ただし、地盤調査の日数や費用は土地の広さや地盤の状態などにより変わる場合があるため、正確な金額は見積もりをとって確認しましょう。
また、地盤改良が必要な場合は上記の費用に加えて別途50万~100万円程度かかる可能性があります。地盤改良は、水田地帯のように水を多く含む土地や、河川を人工的に埋め立てた場所など、地盤が弱い土地で必要になるケースが多いです。
大幅なコストの増加につながるため、注文住宅の場合は、できるだけ地盤が強い土地を選ぶことをおすすめします。一方、建売住宅では地盤調査・改良が事前に行われており、その費用は住宅価格に含まれているケースが多いです。
5. 地盤調査の流れ
一般的に、地盤調査は以下の流れで実施されます。
5.1. ①お問い合わせ
土地を購入したあと、まずは地盤調査を依頼するための問い合わせをします。地盤調査はハウスメーカーや工務店、不動産会社を通して申し込むのが一般的です。
申し込みの際には土地の周辺地図や配置図、平面図、用途、重量などの情報が明記されているものが必要になります。過去に地盤調査を実施したことがある場合は、そのときの地盤調査結果も併せて提出するとスムーズです。
5.2. ②現地調査・地質の事前想定
地盤調査の前には、地質図、地盤図、周辺地域のボーリングデータを参照した地質の事前想定が実施されます。
この他、場合によっては現地調査がおこなわれることもあります。現地調査では地形や土質、道路との高低差のような土地の周辺状況、作業環境などをチェックします。造成地の場合は水抜きの有無や盛り土の状態も確認します。
5.3. ③見積もり提示
現地調査や地質の事前想定が終わったら、提出・収集した資料や現地調査の結果をもとに地盤調査を実施する箇所や、調査にかかる時間、作業の内容などを踏まえた見積もりが提示されます。
5.4. ④地盤調査の実施
見積もりや作業の内容などに問題がなければ、いよいよ地盤調査が実施されます。
前述のとおり地盤調査の方法は複数あり、一戸建ての建売住宅であればSWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)による調査が一般的です。この場合、調査は半日~1日程度で終了します。
5.5. ⑤調査報告書の提出・その後のサポート
地盤調査が終わったら、数日後、調査会社より調査結果をまとめた報告書が提出されます。このとき受け取った報告書から地盤が弱いことが判明した場合、地盤改良の工事が必要になる場合があります。
なお、地盤調査の結果や地盤改良の必要性、改良工事をする際の工法は調査会社によって異なります。地盤調査の結果に疑問を感じた場合は、別の調査会社に再度地盤調査を依頼することで地盤改良の工事費用を抑えられ、結果的にコストを節約できる可能性があるため検討してみましょう。
6. 地盤調査結果の見方

地盤調査の結果をまとめた報告書にはさまざまなデータが記載されています。以下では、特に重要なチェックポイントを解説します。
6.1. N値(換算N値)
N値は地面の強度を表す項目です。数値が大きいほど強度が高いことを示しており、一般的にはN値が4以下の場合に地盤が弱いと判断されます。
なお、住宅を建てる際は「換算N値」として記載されているケースがあります。換算N値は、土質ごとに異なる換算式を用いて推定したN値のことで、より簡易的な結果といえます。
6.2. 半回転数
鉄の棒(ロッド)を地表から25cm貫入させる際のハンドルの回転数を表す項目です。地盤の強度を知るための指標であり、0(回転なし)の地層は自沈層(やわらかい地層)の可能性があります。
6.3. 荷重
どれほどの荷重で鉄の棒(ロッド)が沈んだのかを表す項目です。地盤の強弱を知るための指標であり、荷重が75kg以下の地層は地盤が弱い可能性が考えられるので要チェックです。
6.4. 貫入状態
地表からの深さを表す項目です。前述の「半回転数」と併せて地盤の強度を知るための指標となっています。貫入状態の欄に「ストン」と記載がある場合、その地層は自沈層(やわらかい地層)の可能性があるため注意が必要です。
以上のように、地盤調査の結果報告書にはさまざまなチェックポイントがあります。専門的な用語や数値も多いため、詳細は専門家に確認しましょう。短い時間で正しい知識に基づいた判断ができます。
7. 地盤調査で問題があった場合の地盤改良
地盤調査で問題があった場合に実施される地盤改良の工事方法には以下の3つがあります。
7.1. 表層改良工法
地盤が弱い箇所の表面から2m付近までを掘り返し、セメント系の固化材を土と混ぜ合わせることで地盤を補強する方法です。
表層改良工法は20〜30坪で50万円と比較的安い費用で施工を依頼できます。また、一般的な戸建て住宅の場合、1〜2日と短い工期で改良が完了するのも特徴です。
一方で地下水位が浅い場合や、地盤の弱い箇所が地表から2m以内に納まっていない場合は施工が困難です。また、残土処理や建て替え時のコンクリートの処分費用など、追加費用が発生するケースもあります。
7.2. 柱状改良工法
地盤に直径60〜80cmほどの穴をあけ、水と土、セメント系固化材を混ぜたものを流し込んで固め、柱をつくり補強する方法です。
柱状改良工法は、地盤の弱い箇所が地表から2〜8mまでの場合に用いられます。摩擦力を利用して建物を支える仕組みなので、条件によっては強固な地盤(支持層)がなくても施工が可能というメリットがあります。
一方で有機質土など一部の地盤ではセメントが固まらない、施工後の原状復帰が難しいことから将来的に土地の価格が低下するなどのリスクもあります。
7.3. 鋼管杭工法
地面にあけた穴に杭状の鋼管を打ち込み、地盤を補強する方法です。
鋼管杭工法では地表から30cm程度までの地盤を補強できます。液状化に対してもっとも強い効果を発揮する工法であり、改良後の地盤強度も他と比べて優れています。3階建てや重量鉄骨造などの重い建物にも対応可能です。
一方で、強固な地盤(支持層)がなければ施工ができない、工事中の騒音や振動が大きい、費用が高額などのデメリットもあります。
8. リーブルガーデンは厳格な検査で耐震性能が高い住まいを実現
地盤調査の実施は法律で義務付けられており、安全に長く暮らせる住宅を建てるためにも欠かせません。住宅を建てる際は、事前に地盤調査を実施してくれること、その結果を踏まえた家づくりをしてくれる施工業者を選びましょう。
「リーブルガーデン」では全棟で基礎着工前の地盤調査をおこなっています。必要に応じて強度確保のための基礎補強工事や地盤改良を実施し、不同沈下しないよう対策をおこないます。お引渡し後20年間の地盤保証もおこなっているので、いつまでも心地よく、安心して暮らしていただけます。
また、すべての物件が最高等級である「耐震等級3」を取得しています。これは、建築基準法で定める地震力の1.5倍に耐えうる耐震性を意味します。
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