旗竿地とは?後悔した理由や事例、メリット|購入するときの注意点を解説

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宅地(家を建てる土地)には、主に整形地と不整形地の2種類があります。長方形や四角形の整形地に比べて、不整形地は旗竿地や三角地、L字型などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なるため家を選ぶ際は注意が必要です。
この記事では、不整形地のなかでも分譲地や建売住宅でよく見られる「旗竿地(はたざおち)」の特徴を解説します。
旗竿地のメリット・デメリットや、旗竿地を購入して後悔した方の理由・事例、購入時の注意点を紹介しますのでぜひ参考にしてください。
1. 旗竿地の特徴

旗竿地(はたざおち)とは、長方形や正方形ではなく、いびつな形をした不整形地の一つです。
道路に接する細長い通路の奥に広がった敷地があり、それが竿に旗をつけたような形をしていることから旗竿地と呼ばれています。
1.1. 旗竿地が形成される理由
旗竿地は、一つの土地を複数の区画に分ける分筆の過程で形成されるのが一般的です。
建築基準法では、災害時に緊急車両が通行できるよう、建物の敷地は4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないという接道義務が定められています。
参照:建築基準法 第43条(敷地等と道路との関係)|e-GOV法令検索
道路に面している土地の幅が長ければ、この接道義務を満たしたうえで、一つの土地を複数の整形地に分け、それぞれを独立した土地として登記する「分筆」が可能です。
しかし、土地の面積や形状によってはそれが難しく、1筆を整形地、1筆を旗竿地などとして分筆せざるを得ない場合もあります。
なお、前面道路が4メートル未満の場合は、建て替えや新築の際に土地を後退(セットバック)してもらうなど、将来的に道路幅を拡大する措置がとられています。
セットバックについては下記のコラムに詳細が載っていますので、併せてご覧ください。
>>セットバックとは?計算方法や費用、購入する際の注意点を解説
2. 旗竿地の家を選んで後悔した理由や事例

旗竿地は、不整形地のなかでも代表的かつよく見られる形状です。しかし、以下のデメリットがあることから、なかには旗竿地の家を購入して後悔する方もいます。
- 日当たりや通風がよくない
- 防犯面に不安がある
- 近隣からの騒音が気になる
- 駐車しにくいケースがある
- 建築や解体工事費用が高い
- 売却時に買い手がつきにくい
- 建て替えできないケースがある
住まい選びで後悔しないよう、先人の経験も一つの判断材料として、慎重に検討を進めましょう。
2.1. 日当たりや通風がよくない
旗竿地の家は、細長い通路の奥に建物があるため、日当たりが悪い傾向にあります。特に、四方を建物で囲まれている、周囲に高い建物が多いなどの場合は、採光が取りづらいです。
また、風通しも悪いため湿気が溜まりやすく、カビの発生リスクも高くなることがあります。
2.2. 防犯面に不安がある
旗竿地にある家は、前面道路から離れた人通りの少ない場所にあるため、防犯面に不安があります。
特に、周囲を建物で囲まれている場合は死角が多く、人目につきにくいことから、空き巣などの侵入犯罪に狙われやすくなる可能性があります。
2.3. 近隣からの騒音が気になる
隣接する家の数が多い、隣地との距離が近いなどの理由から、騒音問題が起きやすいのも旗竿地の家のデメリットです。子どもやペットの声だけでなく、近所の方と生活リズムが異なれば、洗濯機や掃除機などの生活音もトラブルに発展する可能性があります。
その他にも、料理の臭い、視線、隣地との境界付近に置かれたものなどが原因で近隣住民とトラブルになった場合、旗竿地の家を購入したことを後悔することがあります。
2.4. 駐車しにくいケースがある
旗竿地は、竿部分(道路に接する細長い通路)を駐車場として活用する場合が多く見られます。しかし、接道義務を満たす最低接道幅である2メートルしかないなど路地の幅員が狭い場合は、駐車しづらい、車の乗り降りがしづらいなどのデメリットが生じ、後悔することがあります。
2.5. 建築や解体工事費用が高い
通路が狭い旗竿地では、重機が入れない、資材置き場が限られるなどの問題が発生しやすいです。このように通常の土地に比べて建物の建築・解体に時間や手間がかかることから、工事費用が高くなる傾向があります。
また、前面道路から建物まで距離があるぶん、電気やガス、水道などのインフラ整備コストもかかりやすくなります。
2.6. 売却時に買い手がつきにくい
旗竿地は上記のように、住環境や建築条件でのデメリットが多いため、整形地と比べて売りにくいといわれています。
そのためなかなか買い手がつかない、大幅な値下げを強いられるなど、売る段階になってから選択を後悔するケースもあるようです。
2.7. 建て替えできないケースがある
旗竿地のなかには、接道義務や自治体などが定めている条例によって建て替えができないケースもあるため注意が必要です。
その一例としては、「測量の結果、実際の接道幅が2メートル未満だった」「前面道路(私道)が建築基準法上の道路に該当しなくなった」などが挙げられます。特に、築年数の古い建物が建っている旗竿地の購入を検討している場合は、役所の建築関連・道路関連の窓口に確認するのがおすすめです。
3. 旗竿地のメリット
旗竿地は、上述したようなデメリットがある反面、以下のようなメリットも存在します。
- 相場よりも比較的安く購入できる
- プライバシー性が高い
- 道路の騒音が気になりにくい
- 路上部分を有効活用できる
- 固定資産税や相続税の負担が軽い
納得いく選択ができるよう、メリットとデメリットをよく比較して検討しましょう。
3.1. 相場よりも比較的安く購入できる
旗竿地は、上述したような特徴があるため、整形地よりも安価な傾向にあります。同じエリアの整形地と比べて2〜3割ほど安く売り出されているケースが多いため、通常の土地では手が届かないエリアでも購入できるチャンスが広がるでしょう。
また、土地の取得費用を抑えれば、そのぶん内装や設備、家具・家電など他の部分にお金をかけられます。
3.2. プライバシー性が高い
旗竿地は奥まった場所に位置しているため、家のそばを車や人が通ることはほとんどありません。通行人の視線が気になりにくいことから、プライバシーの守られた空間で静かに暮らせます。
ただし、周辺の住居との位置関係によっては、近隣住民の視線が気になることもあるため注意が必要です。
3.3. 道路の騒音が気になりにくい
前面道路から離れているため、車の走行音や登下校時の子どもの声などの騒音が届きにくいのも旗竿地のメリットです。
また、玄関から子どもが急に飛び出した場合、事故に遭うリスクも軽減できます。
3.4. 路上部分を有効活用できる
通常の土地で駐車場をつくるには、他のスペースを削らなくてはいけません。しかし、旗竿地なら竿部分(道路に接する細長い通路)を駐車場として利用可能なため、奥の敷地をフル活用して住宅を建築できます。
また、竿部分を活かしたアプローチは、おしゃれな演出にもなります。通路に沿って花壇や飛び石を配置すれば、趣のある小道が完成します。
3.5. 固定資産税や相続税の負担が軽い
旗竿地は、整形地と比べて資産価値が低いことから、固定資産税や相続税などの税負担が軽くなるメリットがあります。
土地や家屋などの固定資産を所有する方は、毎年固定資産税を納めなければなりません。固定資産税は、固定資産税評価額×1.4%で計算され、評価額(資産価値)が高いほど税額も高くなります。
なお、一戸建ての固定資産税は下記のコラムに詳細が載っていますので、併せてご覧ください。
>>一戸建ての固定資産税はいくら?計算式や減額の方法も紹介
また、旗竿地は「2.旗竿地の家を選んで後悔した理由や事例」で挙げたデメリットにより、整形地に比べて評価額が1〜2割ほど低くなり、固定資産税評価額と同様、相続税でも不整形地補正(評価額を減額する調整)が入るため、税金が安くなります。
4. 旗竿地の家を購入するときの注意点やポイント

一口に旗竿地の家といっても、日当たりや風通し、周辺環境などの条件は物件ごとに異なります。
旗竿地や、旗竿地にある建売住宅を購入する際は、以下の点に注意することで、住み始めてから後悔する可能性を減らすことができます。
- 間口が3メートル以上あるか確認する
- 日当たりや通風が良い間取りか確認する
- 近隣住居との距離など周辺環境を確認する
- セキュリティ対策を検討する
- 将来の売却時のリスクも考える
4.1. 間口が3メートル以上あるか確認する
旗竿地を購入する際は、間口が3メートル以上あるかを必ず確認しましょう。
建築基準法で定められている最低接道幅の2メートルだと駐車が難しく、乗り降りのスペースもほとんどありません。一般的なスーパーやコンビニの駐車スペースが約2.5メートルであることを考えると、間口はゆとりを持って使用できる3メートル以上が望ましいといえます。
また、間口が3メートル以上あれば重機が入るため、建物の建築・解体にかかるコストを抑えられます。
4.2. 日当たりや通風が良い間取りか確認する
旗竿地は、日当たりや風通しが良くないことが多いため、これらを考慮した間取りになっているかも確認しましょう。建物の向きや窓の位置・大きさをチェックするほか、日中に内覧し、実際に日当たりを体感するのがおすすめです。
また、周囲に空き地や古い建物がある場合は、今後新築や建て替えなどで高い建物が建つ可能性もあります。こういった将来的な環境の変化も想定したうえで、検討を進めましょう。
4.3. 近隣住居との距離など周辺環境を確認する
思わぬご近所トラブルを避けるには、近隣住居との距離や位置関係などの周辺環境を確認しておくことも重要です。
特に、ドアや窓、ベランダなど開口部は、騒音や臭い、プライバシーなどの問題と密接に関係しています。近隣住居との位置関係を事前に確認しておきましょう。
また、隣地との境界線が曖昧だと、塀の設置や樹木のはみ出しなど、境界線トラブルの原因になります。境界標(杭や金属プレートの目印)があるか、ない場合は法務局にある地積測量図で、境界のポイントを確認しましょう。
境界線が未確定の場合は、土地家屋調査士などの専門家に測量を依頼し、隣地の所有者と合意のもと土地の境界線を確定して、分筆・合筆登記をする必要があります。
4.4. セキュリティ対策を検討する
旗竿地は奥まった場所に位置していることから、「2.2防犯面に不安がある」で挙げたように侵入犯罪のリスクがあります。
歩くと音が鳴るよう砂利を敷く、監視カメラや人感センサーライトを設置するなどして、セキュリティの向上を図れるか検討しましょう。
また、空き巣対策には、二重窓や強化ガラスなど、窓を強くする対策も有効です。これらの対策が難しい場合は、防犯フィルムを貼るだけでも窓ガラスの強度を上げることができます。
4.5. 将来の売却時のリスクも考える
旗竿地は、整形地と比べて売れにくいとされているため、売却時や相続時など、将来のリスクも考慮することが重要です。
いつまでその土地に住むつもりなのか、将来設計も踏まえて購入を検討しましょう。ただし、人気のエリアであれば、予算を抑えて家を建てたい方に需要があるため、比較的スムーズに売却できるケースもあります。
5. 家を買う前に旗竿地について知っておこう
旗竿地は、分譲地でよく見られる不整形地の一つです。道路に接する細長い通路(竿部分)の奥に、広がった敷地(旗部分)があります。前面道路から距離がある、奥まった場所に位置している特徴のため日当たりや風通しがよくない、防犯面に不安がある、建築・解体費用が高いなどのデメリットがあります。その一方で、整形地よりも土地の利用価値が低いことから、相場よりも比較的安く購入できる、固定資産税や相続税の負担が軽いなどのメリットもあります。
住まい選びで後悔しないためには、これらのメリット・デメリットをよく比較し、総合的に判断することが重要です。
また、一口に旗竿地といっても、日当たりや風通し、周辺環境などは物件ごとに異なるため、購入の際はこれらの条件をよく確認しましょう。
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