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耐風等級とは?1と2の違いは?風に強い家をつくるためのポイントも紹介

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目次

風が吹くことで物が受ける圧力を、風圧力といいます。
耐風等級とは、この風圧力に対してどのくらい耐性があるか、住宅の性能を評価する項目です。

そこで今回は、耐風等級の定義や耐風等級1・耐風等級2それぞれの違いを解説します。さらに、耐風等級以外にも風に強い家に必要な条件を紹介しますので、災害に強い家を建てたい方はぜひ参考にしてください。

1. 耐風等級とは

耐風等級とは、住宅性能表示基準の項目の一つです。暴風に対する住宅本体の崩壊、倒壊、損傷のしにくさを評価・表示します。

耐風等級には1と2があり、2がより高強度となっています。
建築基準法で定められた最低基準は耐風等級1ですが、台風などの低気圧による暴風は地域差が大きいです。
このため平成12年に建築基準法が改正され、現在では地域ごとに定められた基準風速(30m/s〜46m/s)に耐えうる強度が必要とされています。

参照:〔平成12年5月31日建設省告示第1454号〕Eの数値を算出する方法並びにVo及び風力係数の数値を定める件

1.1. 風の強さによる建物への影響

建物への風圧力は、風速が高くなるほど大きくなります。
気象庁が発表している風速ごとの速さや人、建物への影響の目安は以下のとおりです。

風の強さ(予報用語) 平均風速(m/s) 速さの目安 人への影響の目安 建物への影響の目安
やや強い風 10以上15未満 一般道路の自動車 ・風に向かって歩きにくくなる
・傘がさせない
樋(とい)が揺れ始める。
強い風 15以上20未満 ・風に向かって歩けなくなる
・転倒する人方も出る
・雨戸やシャッターが揺れる
・屋根瓦・屋根葺材がはがれるものがある
非常に強い風 20以上30未満 高速道路の自動車 ・何かにつかまっていないと立っていられない
・飛来物でけがをするおそれがある
・屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある
・ 固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する
・ビニールハウスのフィルムが広範囲に破れる
猛烈な風 30以上40未満 特急電車 屋外での行動は極めて危険 ・固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる
・養生の不十分な仮設足場が崩落する
・外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある
40以上 ・住家で倒壊するものがある
・ 鉄骨構造物で変形するものがある
出典:風の強さ (予報用語) 平均風速 (m/s) おおよその時速 速さの目安 人への影響|気象庁

2. 耐風等級のレベルによる違い

耐風等級は、耐風等級1と耐風等級2の2段階評価です。
耐風等級1と耐風等級2はそれぞれ「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によってその性能が定義されています。

耐風等級1と耐風等級2、それぞれの性能の定義とレベルの違いは以下のとおりです。

2.1. 耐風等級1

耐風等級1は、建築基準法で定められている最低基準であり、その定義は以下のように設定されています。

  • 500年に1度程度の、極めて稀に発生する暴風でも倒壊しない程度
  • 50年に1度程度の、稀に発生する暴風では損傷しない程度

住宅性能評価・表示協会によると、「極めて稀に発生する暴風」は平均風速約35m/s、「稀に発生する暴風」は平均風速約30m/sと、どちらも気象庁の分類でいうと「猛烈な風」に該当します。

2.2. 耐風等級2

耐風等級1より高い強度を誇るのが耐風等級2であり、その定義は以下のとおりです。

  • 500年に1度程度の、極めて稀に発生する暴風の1.2倍の力でも倒壊しない程度
  • 50年に1度程度の、稀に発生する暴風の1.2倍の力でも損傷しない程度

このように、耐風等級1の1.2倍の耐久性能を備えているものが、耐風等級2として認定されます。
直接雨風が当たる屋根や外壁はもちろん、壁紙や塗り壁など内装の仕上げ材も、風による揺れで少しずつ損傷していくためです。

耐風等級2の基準を満たせばこのようなダメージの蓄積を軽減できるため、家を長くきれいに保てるほか、メンテナンスにかかる手間や費用の削減につながります。

3. 耐風等級2のメリット

先述したように、建築基準法で定められている最低基準は耐風等級1です。
しかし、より強度の高い耐風等級2の基準を満たすことで、以下のようなメリットが発生します。

  • 建物が強固になる
  • 建物の揺れを抑えてくれる
  • 内装仕上げ材をきれいに保てる

それぞれの詳細は以下のとおりです。

3.1. 建物が強固になる

耐風等級2の建物は、耐風等級1より耐風性能が高くなるよう構造が補強されているため、安全性が高いです。

また、耐風等級と同様に、災害に対する建物の強さを表す指標としては、地震に対する耐性を評価する耐震等級があります。
耐震等級は1〜3まであり、耐震等級1が建築基準法の最低基準です。耐震等級2は等級1の1.25倍、耐震等級3は等級1の1.5倍の強度となっています。

安全性を重視する場合は、それぞれの項目で最も評価が高い耐風等級2、耐震等級3の基準を満たすことで、より災害に強く安心安全な建物を建てることができます。

3.2. 建物の揺れを抑えてくれる

屋根や外壁の破損だけでなく、強風による揺れや音も、台風や突風などの暴風による被害の一つです。

より耐風性能の高い耐風等級2であれば、風による揺れや音もかなり軽減されるため、安心して過ごすことができます。

3.3. 内装仕上げ材をきれいに保てる

強風は住宅の外装だけでなく、内装にもダメージを与えます。
風による揺れで、住宅の壁紙や塗り壁など内装の仕上げ材も少しずつ損傷を受けるためです。

その点、耐風等級2はより揺れにくいことから、こういった内装の損傷を抑えてきれいに保つことができます。
その結果、メンテナンスにかかる手間や費用を削減できるのも大きなメリットでしょう。

4. 風で損傷しやすい箇所

住宅において、台風や突風などによる暴風で損傷しやすい箇所は以下のとおりです。

  • 屋根
  • ドア
  • 窓ガラス

ここからは、これらの箇所が暴風によってどのような損傷を受けるのか、具体的な被害を解説します。

4.1. 壁

「猛烈な風」に該当する風速35m/s以上になると、風圧力で壁材がはがれるなどの被害が発生します。
また、暴風による飛散物によっても、壁材に穴が空くなど損傷のおそれがあります。

4.2. 屋根

外壁から外側へ突き出した軒は、雨風が外壁に直接当たるのを防いでくれます。
その反面、軒下から吹き上げる風の影響を受けやすくなるため、屋根材がはがれたり、吹き飛ばされたりする可能性があります。

また、屋根は住宅の防水性能に大きく関わる重要な部分です。このため屋根が損傷を受けると雨漏りや、染み込んだ水分で壁の劣化が進むおそれがあります。

4.3. ドア

強風が吹いているときは、ドアの開け閉めに注意が必要です。

暴風の中でドアを開けると外側に強く引っ張られ、外壁に打ち付けられるなどしてドアが破損したり、ドアノブが変形したりするおそれがあります。
また、室内に強風が吹き込むことで、屋根が損傷を受ける可能性もあります。

4.4. 窓ガラス

窓ガラスも、住宅で強風に弱い箇所の一つです。

風圧力や暴風による飛散物で窓ガラスが割れると、ガラスの破片でけがをするおそれがあるほか、室内に雨風が吹き込んで壁や屋根の損傷につながります。

5. 耐風等級以外に風に強い家に必要な条件は?

耐風等級の取得以外にも、風に強い家づくりをめざすには、主に以下の方法が挙げられます。

  • 雨戸やシャッターを設置する
  • 台風に強い屋根をつくる
  • 立地条件を考慮する
  • 平屋を検討する

どれも基本的には住宅を建てる前に検討が必要なため、家族で十分に話し合い、不明点や希望がある場合は施工会社に相談すると良いでしょう。

5.1. 雨戸やシャッターを設置する

風による窓ガラスの被害を防ぐには、雨戸やシャッターの設置が有効です。

暴風による飛散物から守ることで窓が割れるのを防げて、割れたガラスの破片が人に当たるのを予防できます。

すべての窓に設置するのが難しい場合は、窓に飛散防止フィルムを貼るのがおすすめです。ガラス自体が強化されるわけではありませんが、貼るだけで割れた際の破片の飛び散りを防げます。

5.2. 台風に強い屋根をつくる

屋根は、住宅の耐風性能・防水性能に関わる重要な部分です。

このため軒下の部分を少なくする、屋根の傾斜角度を小さくする、屋根材に瓦を使用するなど、風に強い形状や素材を取り入れることで風の影響を受けにくくできます。
また、同じ素材でも屋根材同士を噛み合わせて固定するロック工法など、工法を工夫することでも耐久性の向上が可能です。

ただし、どんなに耐風性能が良い素材、工法を採用しても、経年劣化とともに性能は低下します。
住宅性能を維持し、未然にトラブルを防ぐためにも定期的なメンテナンスを心がけましょう。

5.3. 立地条件を考慮する

住宅が受ける風のダメージは、立地条件によっても異なります。
例えば、住宅街など家が密集している地域では風圧力が分散するため、直接的なダメージは小さいです。
それに対して、海沿いや開けた田畑など住宅の間隔が広い立地では、障害物がないため暴風の影響を受けやすくなります。

このため災害に強い家を建てたい場合は、建物の構造だけでなく土地選びも重要です。

国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」などを活用し、周辺地域の災害リスクを把握しておきましょう。

また、風を遮る建物や障害物がない場所に家を建てる場合は、防風フェンスや柵を設置するなど、その土地に合った工夫も重要です。

5.4. 平屋を検討する

風圧力は、風速だけでなく建物の高さや規模によっても左右されます。
一般的に、高さが高いほど、規模が大きければ大きいほど建物への風圧力は高くなるため、平屋を選ぶのも台風に強い家づくりをめざす一つの手段です。

1階建ての平屋は、2階建、3階建と比べて外壁の面積が小さいため、受ける風圧力が小さくなります。
また、建物に高さがなく、重量が屋根のみで本体は軽量であることから、下から吹き上げる風の影響も受けにくくなります。

6. 耐風等級に関するQ&A

最後に、耐風等級に関してよくある質問にお答えします。

6.1. 耐風等級を上げるには?

通常、耐風等級をはじめとする住宅性能は、国土交通大臣が登録した第三者機関の評価員によって、設計図面や竣工時の現場検査にて確認・評価されます。

しかし、リフォームやリノベーションで問題部分を修復し、必要な補強工事をすることでも住宅性能を上げることは可能です。

住宅性能の向上を目的としてリフォームをおこなう場合は、リフォームを依頼する施工店や評価機関に相談すると良いでしょう。

>>建売住宅を購入直後にリフォームするメリット・デメリットやリフォーム例をご紹介

6.2. 耐風等級2は必要

耐風等級の基準で「極めて稀」「稀」と表現される平均風速30m/s以上の猛烈な風。

しかし、近年災害をもたらした気象事例をみてみると、2018年の台風21号、2019年の台風15号(房総半島台風)ともに平均風速は30m/s以上であり、決して稀とはいえなくなっています。

このように大型の台風が複数接近・上陸することが多い現状を考えると、家族を守り、安心安全に暮らすためには耐風等級2の取得が必要でしょう。

7. 一建設は最高等級の耐風等級2を取得

耐風等級とは、住宅性能評価の一つであり、建物の風に対する耐性を評価した項目です。
耐風等級は1と2の2段階評価となっており、建築基準法では耐風等級1が規定されています。
しかし、近年日本では大型の台風が複数接近・上陸していることを考えると、耐風等級1の1.2倍の性能を誇る耐風等級2の基準を満たしているほうが安心でしょう。

一建設の分譲戸建て住宅は、建物の安全性に関わる耐風等級・耐震等級どちらも最高等級である耐風等級2・耐震等級3(構造躯体の倒壊等防止・構造躯体の損傷防止)を取得。
その他も以下の項目で最高等級を取得しています。

  • ホルムアルデヒド発散等級……空気環境に関する指標:等級3
  • 一次エネルギー消費量等級……温熱環境に関する指標:等級6
  • 劣化対策等級……劣化の軽減に関する指標:等級3
  • 維持管理対策等級……維持管理・更新への配慮に関する指標:等級3

このように一建設では、住宅性能表示5分野7項目で最高等級取得を標準化しています。
「災害に備えて安心・安全な家を建てたい」「良質な住宅で快適に暮らしたい」という方はぜひ一建設までご相談ください。

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