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建坪とは? 延べ床面積との違いや意味、計算方法・測り方の注意点を紹介

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目次

住宅の情報に目を通していると、さまざまな面積の記載を見かけます。なかでもよく目にする記載の一つが「建坪」ですが、どのような意味なのかわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は、建坪とはどのような意味を持つ言葉なのか、延べ床面積とどのような違いがあるのかなどを解説します。また、ほかに建築関連で覚えておくべき言葉や建坪の計算方法、測り方の注意点も解説します。

1. 建坪とは?

まずは、建坪とはどのような意味の言葉なのか、延べ床面積とはどのように違うのかなど、建坪に関する基本を解説します。

1.1. 建坪の意味(定義)と読み方

建坪は「たてつぼ」と読み、不動産会社などが建物の面積を表す際によく用いる言葉です。言葉の明確な定義はありませんが、平方メートル(平米)で表される建築面積を坪単位に換算したものを指すのが一般的です。

建築面積とは建物を上空から見たときの面積を指し、平屋建てであれば1階面積と等しくなります。

1.2. 建坪と延べ床面積との違い

建坪と並んで住宅の面積でよく出てくる用語が「延べ床面積」です。建坪や建築面積が建物を上空から見た面積なのに対し、延べ床面積はすべての階の床面積を合計した面積を表します。平屋建てであれば1階の床面積と等しくなりますが、2階建ての家なら1階と2階の床面積を足し合わせたものが延べ床面積となります。

2. 建坪と併せて理解しておくと良い言葉

家づくりでは、建坪や延べ床面積以外にも理解しておくと便利な言葉がいくつかあります。一覧でご紹介したうえで、それぞれ詳しく解説します。

建築面積(=建坪)建物を真上から見たときの面積
平方メートル(平米)建物の面積を表すときの基本単位 (1坪=約3.3平方メートル)
床面積室内の床部分の面積
延べ床面積階ごとの床面積の合計
施工面積実際に施工した面積
敷地面積建物が建つ土地を真上から見たときの面積
坪単価建物1坪あたりの建築にかかった費用
建ぺい率敷地面積に対する建坪の割合

2.1. 建築面積

建築面積は建坪と同じ意味で、建物を上空から見たときの面積を表します。建坪が坪単位なのに対し、建築面積は平方メートル単位です。

2.2. 平方メートル

建築基準法など建築関連の面積を表すとき、正式に使われる単位は平方メートルです。1坪は約3.3平方メートルの広さを示します。「建坪◯坪」といった場合、数値を3.3倍すれば平方メートル単位(建築面積)の数値を確認できます。

2.3. 床面積

室内の床部分の面積を表すのが床面積です。階ごと、部屋ごとなど、一定の区切った範囲の面積を表すときに用いられるのが一般的です。建築基準法で定められた内容で求められる床面積は「法定床面積」といいます。

また、地下室や駐車場の一部などは、容積率算入対象面積から除外できます。このときに容積率対象となる床面積が「容積対象面積」です。

外空間は通常は床面積に含まれませんが、開放性の少ないバルコニーなどは屋外空間でありながら容積対象面積に含まれるケースがあるため、設計時には注意しましょう。

2.4. 延べ床面積

延べ床面積とは、各階の床面積を合計した全体の床面積のことです。建築価格や建物の販売価格は、基本的に延べ床面積の広さに比例して高くなります。2階建ての場合、延べ床面積は1階の床面積と2階の床面積を足し合わせたものとなります。なお、高さ1.4メートル以下のロフトや外壁から2メートル以下のバルコニーなどは延べ床面積に含まれません。

2.5. 施工面積

建築時に実際に施工した部分の面積を表します。明確な定義はないものの、一般的に玄関ポーチ、バルコニー、ロフトなどの施工箇所もすべて含むのが一般的。そのため、通常施工面積は延床面積よりも大きくなります。

2.6. 敷地面積

建築予定の土地を上空から見たときの面積を表します。敷地面積は建坪(建築面積)よりも当然大きくなります。

2.7. 坪単価

1坪あたりにかかる建築費を表すのが坪単価です。「トータルの建築費÷延べ床面積(坪)」で算出できます。反対に、「坪単価×延べ床面積(坪)」で全体の建築費を計算することも可能です。

2.8. 建ぺい率

敷地面積に占める建坪(建築面積)の割合が建ぺい率です。例えば、100坪の敷地に建坪60坪の住宅を建築する場合、建ぺい率は60%となります。

建ぺい率は地域ごとに定められた用途地域によって上限が定められており、その上限を超えて建坪を大きくはできません。住宅を建築する際、設計前に用途地域と建ぺい率の上限は必ず確認しておきましょう。

3. 建坪の計算方法・出し方

1坪は約3.3平方メートルなので、平方メートル単位で表した建築面積がわかっている場合、その数値を3.3で割れば建坪を計算できます。反対に、建坪に3.3をかければ平方メートル単位での建築面積を簡単に知ることが可能です。

坪は不動産業界で慣習的に用いられるケースが多く、契約書や登記など正式な書面では平方メートルが用いられます。

建坪建築面積
15坪49.5平方メートル
20坪66平方メートル
25坪82.5平方メートル
35坪115.5平方メートル
40坪132平方メートル
45坪148.5平方メートル
50坪165平方メートル

4. 建坪の計算に必要な建築面積を算出する際のポイント

建坪の計算に必要な建築面積を求めるときには、どのようなポイントがあるのでしょうか。ここでは、建築面積の考え方や測り方の基本を解説します。

4.1. 面積が最も広い階が建築面積になる

建築面積は建物を上空から見たときの面積です。階数に関係なく、上空から見て最も広がった部分の面積を表すことになります。したがって、基本的に最も広い階の面積が建築面積になると考えておきましょう。2階のほうが1階よりも大きな住宅も少なくないため、必ずしも1階の面積=建築面積とはならない点に注意しましょう。

4.2. 建築面積には吹き抜けも含まれる

建築面積は建物を上空から見たときの面積なので、天井がある部分は原則算入されます。例えば、2階部分が吹き抜けになっていて床がなくても、天井があるので建築面積には含まれることになるのです。

ただし、吹き抜けには床がないので、2階の床面積や延べ床面積には含まれません。吹き抜けを取り入れた住宅を建築する際は、こうした面積種類ごとの扱いの違いに気をつけましょう。

4.3. 出窓は建築面積に含まれないことが多い

出窓は外壁から突き出した形になっていますが、建築面積に含まれないケースが多くなっています。建築面積から除外されるための条件は以下の3点です。

  • 出窓の最下端部が床から30センチメートル以上の高いところにあること
  • 外壁からの突き出しが50センチメートル未満であること
  • 1階の床面から1.35メートルのところに引いた線より上の面の垂直面積(見付面積)の半分以上が窓になっていること

出窓でも、床面ギリギリのところから窓になっているケースや、外壁から大きく突き出しているケースなどは、建築面積として算入される点に注意が必要です。

4.4. 1メートル以内の庇や軒、バルコニーは建築面積に含まれない

屋根から延びる庇や軒、バルコニーなどは外壁面から突き出した形となりますが、外壁からの長さが1メートル以内であれば建築面積に含まれないルールとなっています。建築面積が増えると建ぺい率上限による設計内容の制限がかかってしまうため、住宅を新築する際には庇や軒、バルコニーを外壁から1メートル以内に収めるのが一般的です。

外壁から突き出した部分が1メートル以上ある場合、突き出しのすべてが建築面積に含まれるのではなく、突き出した部分の先端から1メートル後退したところまでが建築面積に算入されます。

4.5. 屋根付きの中庭やカーポートは建築面積に含む

建坪にカウントされるのは、建築物を上空から見たときの面積です。建築基準法では、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根と柱または壁があるもの」と定義づけているため、屋根付きの中庭やカーポートなどは建築面積に含まれます。建物の建築面積のみで建ぺい率をカウントしていると、建ぺい率の上限を超過する危険性があるため注意しましょう。

5. 「建坪とは」に関するQ&A

最後に、建坪に関してよくある質問に回答します。

5.1. 2階建ての建坪の算出方法は?

建坪は「建築面積(平方メートル)÷3.3」で求めるため、前提となる建築面積を把握する必要があります。建築面積は建物を上空から見たときの面積であり、建物の最も広い部分の面積を拾います。2階建ての場合、1階・2階で面積が広いほうの階数の面積が建築面積になると考えましょう。

例えば、1階の面積50平方メートル、2階60平方メートルの住宅の場合、2階のほうが面積は大きいので、建築面積は60平方メートル。建坪は60÷3.3=約18坪となります。

5.2. 建坪の平均はどのくらい?

住宅金融機構「フラット35利用者調査」によると、2022年度、建売住宅の全国平均面積は101.9平方メートル(約30.9坪)、注文住宅の全国平均面積は122.8平方メートル(約37.2坪)となっています。2階建てを標準と考えると、建坪はおおむね15〜20坪程度が平均と考えられます。

また「平成30年住宅・土地統計調査」では、2018年度の全国の一戸建て平均延べ床面積が126.63平方メートル(38.37坪)となっており、上記調査結果と同水準となっています。

参照:住宅金融機構「2022年度 フラット35利用者調査
参照:総務省「平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要

5.3. 建坪と固定資産税の関係は?

2026年3月31日までに建築された新築住宅では、新築から3年間(長期優良住宅の場合は5年間)、固定資産税が1/2に減額される措置が設けられています。

この減税措置には、床面積50平方メートル(約15.2坪)以上280平方メートル(約84.8坪)以下という要件があります。床面積の要件ですが、平屋の場合は実質「床面積=建坪」となる可能性が高いので、建坪が84.8坪を超えると固定資産税が高くなる恐れがあります。2階建ての場合、建坪が40坪を超える場合は要注意です。

参照:国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置

6. まとめ

建坪とは建物を上空から見たときの面積を表し、建築面積を3.3で割ることにより算出できます。また、建坪は最も広い階の面積を拾うのが原則のため、必ずしも1階の面積を表すわけではありません。一定の要件を満たすバルコニーや出窓など、建坪に含まれない部分もありますが、素人では判断がつきにくいため、詳細は施工会社に確認しましょう。

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