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市街化区域とは?市街化調整区域との違い|用途地域やメリット・デメリットを詳しく解説

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目次

国や自治体は、都市計画法という法律に基づいて、住民が安心して暮らせるまちづくりを進めています。

都市計画法では、一つのまとまった都市として整備や開発を進めるべきエリアを都市計画区域として定めており、市街化区域や市街化調整区域はその一部です。

この記事では、土地や家屋など不動産の購入を検討している方に向けて、それぞれのメリット・デメリットや、該当エリアの調べ方などを解説します。

1. 市街化区域とは?

1.1. 市街化区域の定義

都市計画区域には、市街化区域と市街化調整区域の2つの区分があります。市街化区域の定義は以下のとおりです。

2 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
引用:都市計画法 第7条(区域区分)|法令検索e-GOV

上記のように、都市計画区域のなかでも「すでに整備されて市街地になっている区域」と「今後優先的に市街地として整備される区域」が市街化区域に該当します。

1.2. 市街化調整区域との違い

都市計画区域には、市街化調整区域という区分もあります。都市計画法によると、市街化調整区域の定義は以下のとおりです。

3 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。
引用:都市計画法 第7条(区域区分)|法令検索e-GOV

都市計画では緑地や河川、農地などの自然環境や、安全で快適な住環境を守ることも重要です。そのため積極的な整備・開発を推進する市街化区域に対して、既存の環境を守るために市街化を抑制する地域を市街化調整区域といいます。

市街化調整区域では、原則として新たな開発は認められず、住宅の建築などにも制限があります。

2. 市街化区域かどうか調べる方法

気になるエリアや不動産が市街化区域かどうか調べるには、主に以下の方法があります。

  • 役所に確認する
  • インターネットで調べる
  • 物件情報サイトや不動産会社に確認する

2.1. 役所に確認する

市街化区域かどうか調べるには、役所の都市計画課に問い合わせるのが確実です。具体的な住所まで伝えれば、用途地域や建築制限に関する情報に関してアドバイスが受けられます。住所が決まっていない場合は、おおよそのエリアを伝えると良いでしょう。

2.2. インターネットで調べる

多くの自治体では、行政地図情報や都市計画マップなどの名称で、都市計画図を公表しています。市街化区域や市街化調整区域、用途地域などが種別ごとに色分けされているため、該当箇所の区分を地図上で確認可能です。

検索エンジンで「〇〇市(市町村名) 都市計画図」と入力し、検索してみましょう。

2.3. 物件情報サイトや不動産会社に確認する

気になる土地や建物がある場合は、物件のチラシや掲載サイトにも都市計画の記載があります。チラシなら概要欄や備考欄にある「用途地域」という項目を確認し物件情報サイトならページ下部にある物件概要を確認しましょう。また、不動産会社に問い合わせるのも一つの手段です。

なお「リーブルガーデン」の物件詳細ページでも、該当物件が市街化区域かどうかを調べることができます。
物件詳細ページには物件概要が掲載されており、「都市計画区域」の欄で市街化区域かどうかを確認することができます。次の見出しでご説明する「用途地域」についても同じページに表示されていますので、確認の際はそちらもあわせてご覧ください。
>>リーブルガーデン|一建設の新築一戸建て(分譲住宅・建売)

3. 市街化区域は用途地域が定められている

市街化区域は、土地の利用目的に応じて、全部で13種類の用途地域が定められています。

13種類の用途地域は大きく分けて「住宅系用途地域」「商業系用途地域」「工業系用途地域」の3つに分類され、それぞれで建築可能な建物の種類や大きさが異なります。

3.1. 住宅系用途地域

用途地域特徴
第一種低層住居専用地域低層住宅のための地域。 小規模なお店や事務所をかねた住宅や、小中学校などが建てられる。
第二種低層住居専用地域主に低層住宅のための地域。 小中学校などのほか、150平方メートルまでの一定のお店などが建てられる。
第一種中高層住居専用地域中高層住宅のための地域。 病院、大学、500平方メートルまでの一定のお店などが建てられる。
第二種中高層住居専用地域主に中高層住宅のための地域。 病院、大学などのほか、1,500平方メートルまでの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられる。
第一種住居地域住居の環境を守るための地域。 3,000平方メートルまでの店舗、事務所、ホテルなどが建てられる。
第二種住居地域主に住居の環境を守るための地域。 店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどが建てられる。
準住居地域道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域。
田園住居地域農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域。 住宅に加え、農産物の直売所などが建てられる。
参照:国土交通省「用途地域」

13種類のうち8種類は、住宅系用途地域に分類されます。
住宅系用途地域は住環境を優先するエリアのため、基本的に大きな商業施設や工場は建てられません。

また、住居の採光や通風に支障をきたさぬよう、用途地域ごとに建物の高さや形状が細かく制限されています。

3.2. 商業系用途地域

用途地域特徴
近隣商業地域まわりの住民が日用品の買物などをするための地域。 住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられる。
商業地域銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域。 住宅や小規模の工場も建てられる。
参照:国土交通省「用途地域」

全13種類のうち2種類は、商業施設が集まる商業系用途地域に分類されます。
住居系用途地域より用途制限が緩やかで、商業施設や飲食店、娯楽施設などさまざまな建物が建てられます。

3.3. 工業系用途地域

用途地域特徴
準工業地域主に軽工業の工場やサービス施設などが立地する地域。 危険性、環境悪化が大きい工場の他は、ほとんど建てられる。
工業地域どのような工場でも建てられる地域。 住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられない。
工業専用地域工場のための地域。 どのような工場でも建てられるが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられない。
参照:国土交通省「用途地域」

残りの3種類は、工場の利便性を高めるための工業系用途地域に分類されます。

準工業地域と工業地域では住宅やお店も建てられますが、工業専用地域では、原則として工場以外の建物は建てられません。

4. 市街化区域のメリット

市街化区域には、市街化調整区域に比べて以下のようなメリット・デメリットがあります。土地や住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

  • 新たに住宅を建てられる
  • 生活の利便性が高く、インフラが整っている
  • 不動産の売却や賃貸がしやすい

4.1. 新たに住宅を建てられる

市街化区域では、工場専用地域以外なら基本的にどこでも家を建てられます。

ただし、市街化区域内の農地に家を建てる場合(農地転用)は農業委員会にその旨を届け出る必要があります。自治体の定める条例によっては転用が認められないこともあるため、事前に地元の農業委員会に確認しておきましょう。

4.2. 生活の利便性が高く、インフラが整っている

市街化区域は、すでに市街地が形成されているか、今後優先的に市街化が進められる地域です。そのため電気・ガス・水道などのライフラインや、公共交通機関や役所、学校などの社会インフラもすでに整っている、または今後整備される可能性が高く、暮らしやすいエリアといえます。

4.3. 不動産の売却や賃貸がしやすい

上述したように、市街化区域は生活インフラが整っていることから、需要の高いエリアです。そのため不動産を売却しやすい、賃貸に出した際も借り手がつきやすいなどのメリットがあります。

発展途上の地域でも今後開発が進めば、将来的に資産価値の上昇が期待できます。

5. 市街化区域のデメリット

一方、市街化区域には以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

  • 都市計画税の負担がある
  • 不動産購入価格は高めである
  • 交通量が多く、騒音の問題がある
  • 建築制限がある

5.1. 都市計画税の負担がある

市街化区域は地価が高いため、それに応じて固定資産税も高くなりがちです。

また、市街化区域内にある不動産は、都市計画税が課税されます。都市計画税とは、道路、公園などの公共施設の整備や、土地区画整理事業などの都市計画事業に充てることを目的とした税金です。

都市計画税の税率は自治体によって異なりますが、一般的には固定資産税評価額×0.3%(上限税率)で計算されます。

5.2. 不動産購入価格は高めである

インフラ整備が進んでおり、利便性が高いぶん、市街化区域内の土地や住宅の購入価格は高めです。また、防火地域や用途地域の指定により、一定以上の防火性や耐震性が求められるエリアでは、そのぶん建築費用がかかります。

5.3. 交通量が多く、騒音の問題がある

市街化区域は住宅や商業施設が立ち並び、賑わっているエリアです。交通量も多いため、立地条件によっては、車や電車の走行音、通行人の話し声などの騒音に悩まされる可能性があります。

5.4. 建築制限がある

市街化区域では、用途地域によって建物の高さや用途、建ぺい率・容積率などの建築制限があります。

建ぺい率と容積率は、どちらも敷地に対する建物の大きさを表す指標です。
建ぺい率は敷地面積に占める建築面積の割合を、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の比率を表します。
用途地域によってこれらの上限は異なるため、同じ敷地面積でも建てられる建物の大きさが変わる場合があります。

なお、建ぺい率と容積率は下記のコラムに詳細が載っていますので、併せてご覧ください。
>>建坪とは? 延べ床面積との違いや意味、計算方法・測り方の注意点を紹介

6. 市街化調整区域のメリット

開発を推進する市街化区域に対して、自然環境の保全などを目的に開発が抑制されるエリアは市街化調整区域といいます。

市街化調整区域にある不動産を購入するメリットは以下のとおりです。

  • 土地の価格や固定資産税の負担が軽い
  • 交通量が少なく、自然が豊かで静かである

6.1. 土地の価格や固定資産税の負担が軽い

市街化調整区域は、建物の新築や建て替えが制限される、利便性が低いなどの理由から、市街化区域よりも地価が安い傾向にあります。そのため固定資産税が安く、さらに都市計画税の課税対象外であるため、市街化区域に比べて税負担が軽いというメリットがあります。

6.2. 交通量が少なく、自然が豊かで静かである

市街化調整区域は開発を抑制するエリアです。市街化区域と違って商業施設やビルなどがなく、交通量も少ないため、静かな環境で暮らせます。

ただし、自然が豊かなエリアでは、蛙や虫の鳴き声が気になることもあります。

7. 市街化調整区域のデメリット

市街化調整区域の主なデメリットは以下のとおりです。

  • 生活の利便性が良くない
  • インフラが未整備のケースがある
  • 建物を建てるには許可が必要である
  • 売却しにくいケースがある

7.1. 生活の利便性が良くない

市街化調整区域は自然が豊かな一方、商業施設が建てられないため、スーパーやコンビニなどが近くにないというデメリットがあります。

また、市街地からも離れているため、駅や学校、病院などの生活利便施設へのアクセスもあまり良くありません。

7.2. インフラが未整備のケースがある

市街化調整区域は、農地や森林などの保全を目的としたエリアです。居住を前提としていないため、なかには水道やガス、電気などのインフラが未整備なことも。その場合は自己負担でライフラインを整える必要があります。

7.3. 建物を建てるには許可が必要である

市街化調整区域内で新しく建物を建てるには、開発許可が必要です。都市計画法34条に定められている基準を満たすなど一定の条件をクリアし、自治体から許可を得られれば、建物を建築できます。
都市計画法 第34条|法令検索e-GOV

また、建て替えや増改築にも自治体の許可が必要です。建て替えの場合、容積率や建ぺい率の制限により、既存の建物より規模が小さくなる可能性もあります。

7.4. 売却しにくいケースがある

市街化調整区域は、用途に制限がある、利便性が低いなどの理由から需要が限られます。また、今後開発される予定もないため、資産価値の上昇もあまり期待できません。

このことから、市街化調整区域にある不動産は売却時に不利になるケースが多いです。また、資産価値が低い=担保としての価値も低いことから、住宅ローンの審査も通りにくい傾向があります。

8. 市街化区域を理解して住宅購入を検討しましょう

市街化区域と市街化調整区域は、いずれも都市計画区域の一部にあたります。
市街化区域は、「すでに整備されて市街地になっている区域」と、「今後優先的に市街地として整備される区域」が含まれ、市街化調整区域は、既存の環境を守るために開発を抑えるべき区域が該当します。

それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、土地や住宅など不動産の購入を考えている場合は慎重に検討が必要です。役所や自治体が公表している都市計画マップなどで、該当エリアを確認しましょう。

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