リースバックとは、自宅を売却して現金化したあと、賃貸借契約を結んで住み続ける方法です。
主に生活資金や事業資金などの工面や、住宅ローンの返済などを目的として利用されますが、マンションでもリースバックはできるのでしょうか?
そこで今回は、マンションをリースバックする方法や業者の選び方、そしてリースバックで失敗しないために確認すべきポイントやよくあるトラブルなどを紹介します。
マンションでのリースバックを検討している方はぜひ参考にしてください。
INDEX
リースバックはマンションでもできる?
自宅を売却して資金調達し、賃貸物件として住み続けるリースバックは、マンションでも利用可能です。
ただし、リースバック業者のなかにはマンションは取扱い不可としているところも一部存在します。
このためマンションでのリースバックを検討している場合は、ホームページをチェックする、業者に電話で問い合わせるなどして、事前に利用の可否を確認しておく必要があります。一建設のリースバックプラスではマンションリースバックも積極的に行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
マンションをリースバックする際のメリットとデメリット
マンションをリースバックする主なメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット
マンションをリースバックするメリットは、通常の売却に比べて現金が手に入るまでの時間が短い、住み慣れた家から引っ越さずにすむなど、戸建て住宅をリースバックする場合と基本的には同じです。
その他にもマンションならではのメリットがいくつかあります。
審査の事例が豊富
マンションのリースバックは戸建てと比較して取引件数も多いです。そのため、マンションの取引が得意な業者の場合、審査スピードが早く審査内容も明確です。なお、審査に関しては複数社に相談するようにしましょう。
良い条件で成約する可能性がある
マンションは戸建てと比較して立地が良いことも多く、リースバック業者が取引後に売却しやすい特徴があります。そのため、リースバックをする際にはより良い条件で成約する可能性が高まります。
管理費や修繕費等の負担が減る
マンションの場合はリースバックすることで毎月の管理費や修繕積立金がリースバック業者負担になります。
デメリット
マンションをリースバックするデメリットも、基本的には戸建て住宅をリースバックする場合と同様です。
具体的には、売却価格が市場価格より安くなる傾向がある、家賃を支払う必要があるなどが挙げられます。
マンションをリースバックする流れ
マンションをリースバックする際には、主に以下の5つの手順に沿っておこなわれます。
- 相談・査定依頼をする
- 審査を受ける
- 売却価格や家賃の提示を受ける
- 不動産売買契約を交わす
- 賃貸借契約を交わす
それぞれご紹介します。
相談・査定依頼をする
利用したいリースバック業者に問い合わせをします。
物件の状況や希望買取価格、家賃などの希望条件を確認し、問題がなければ仮査定の申し込みをします。
審査を受ける
机上査定である仮査定を受け、仮査定額に問題がなければ、業者が自宅を訪問し調査をおこな行う本査定に進みます。
売却価格や家賃の提示を受ける
査定結果を踏まえて、物件の買取価格や家賃などさまざまな契約条件が提示されます。
不動産売買契約を交わす
契約条件に同意する場合は、正式な契約手続きに進みます。
リースバックの利用者が売り主、リースバック業者が買い主という立場で不動産売買契約を交わします。
賃貸借契約を交わす
売却した自宅を賃貸として使い続けるための賃貸借契約を締結します。物件の買い戻しを希望する場合は、売買予約契約を締結することもあります。
[関連リンク]
リースバック契約の流れ~売却と賃貸の契約を結ぶ際のポイントを解説
マンションのリースバックにかかる費用
リースバックでは売却の際と賃貸借契約において、主に以下の費用が発生します。
売却にかかる費用 | 印紙税 | 1万円前後 ※売却金額によって異なる |
---|---|---|
登記変更費用 | 2〜5万円前後 | |
抵当権抹消費用 | 1〜3万円前後 ※抵当権が設定されている場合 | |
賃貸借契約にかかる費用 | 敷金、礼金 | 家賃の1〜2ヵ月分 ※契約内容による |
保証料 | 家賃の0.3~1ヵ月分 | |
家賃保証料 | 家賃1ヵ月分 | |
火災保険料 | 2〜5万円 | |
家財保険料 | 年間1万円前後 |
ただし、これらの費用はリースバックによって得られる資金から差し引かれるため、特に準備する必要はありません。
業者によって費用項目や金額は異なるため事前に確認し、必要に応じて調整できないか交渉してみると良いでしょう。
マンションのリースバック業者の選び方
ここからはマンションのリースバックで失敗しないための業者の選び方を紹介します。
マンションの取扱い実績が豊富
マンション対応可能と謳っていても、なかには過去にマンションのリースバック取引事例がない、または少ないという業者も存在します。
その場合、見積もり査定に時間がかかる、売却額が相場より低い、家賃が高い、サービスが不十分であるなどの可能性があるため、なるべくマンションの取扱い実績が豊富なリースバック業者を選ぶようにしましょう。
見分け方の一つとして、マンション対応のノウハウがある業者は査定が早く、そして明確であるという特徴があります。
複数社を検討する際の比較材料の一つとして、チェックしてみると良いでしょう。
自宅のエリアに対応している
対応エリアも、リースバック業者を選ぶ際に確認しておくべきポイントの一つです。
エリア外でも相談に応じてもらえることはありますが、自宅エリアに精通している業者の方が周辺相場などの地域事情にも詳しいため、より良い条件かつスムーズな取引が期待できます。
目的に合った契約が結べる
一般的な売却であればとにかく価格を重視するところですが、リースバックの場合はその後に発生する家賃も視野に入れなければなりません。
買取価格が高いと一度にまとまった金額が手に入りますが、そのぶん家賃も高くなることが多いです。
このため、月々の支払い負担を考えて買取価格と家賃のバランスを決定する必要があります。
その他、敷金・礼金の有無や保証人は必要かどうかなどの付帯条件も考慮したうえで、資金調達や買い戻し前提など、自分の目的に合った契約が結べる業者を選択しましょう。
マンションのリースバックでよくあるトラブル
マンションのリースバックでは、以下のようなトラブルが発生することもあるため注意が必要です。
あらかじめよくあるトラブルを把握しておき、事前の対策を心がけましょう。
家賃が引き上げられた
リースバックでよくあるトラブルの代表例が家賃の値上げです。
契約時には「家賃は上がりません」と謳っていても、賃貸契約更新のタイミングやオーナーチェンジが発生した際に、急に家賃が値上げされたりする危険性があります。
「更新の際に家賃を上げることはしない」などの条件は口約束ではなく、契約書などに明文化してしっかり証拠を残しておきましょう。
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リースバックのトラブル事例11選 後悔や失敗をしないための対策を解説
無断で自宅を売却された
リースバックでは、物件の所有権がリースバック業者に移ります。
すなわちリースバック業者に売買の自由もあるため、なかには無断で第三者に自宅を売却されたというトラブルも。
新しいオーナーの意向によっては、賃貸契約の更新を断られる、家を買い戻せなくなるなどの問題にもつながるため、こちらもあらかじめ「オーナーチェンジが起きても最初の契約内容を維持する」などの内容を書面で残しておくことが大切です。
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資金不足で買い戻せない
リースバックには、市場で売却するよりも買い戻しがしやすいというメリットがあります。
ただし、リースバック後の買い戻し価格はリースバック時の売却価格に対して10~30%程度上乗せされた価格が相場です。
売却時よりも買い戻し価格のほうが高くなるため、買取価格と家賃のバランスを見誤るなどして計画的な貯金ができないと、資金不足で買い戻せなくなる可能性があります。
また、買い戻し自体を拒否されたり、当初の説明よりも大幅に上回る金額を提示されたりすることのないよう、買い戻し自体やその金額も契約書での確認が必要です。
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リースバックの買い戻し方法を解説!買い戻し価格や住宅ローンの可否についても紹介
飯田グループホールディングスの一建設が提供する「リースバックプラス+」ではこのようなトラブルを防ぐため、お客様の目的に合わせた2つのプラン(3タイプ)をご用意しております。
標準プランは、希望する限りいつまでも住み続けられる普通賃貸借契約なので、引っ越さずに資金調達したいという方にぴったり。
期間を定めてお得に住める定期プランでは、最大1年間賃料が0円になる「賃料優遇タイプ」と、売却価格と同額で買い戻しができる「買戻優遇タイプ」の2つから選べます。
自分の目的に合ったプランでライフスタイルを変えることなく、資金調達や自宅の再購入が可能です。
マンションのリースバックで失敗しないために確認すべきこと
マンションのリースバックで失敗しないためには、契約前に以下のことを確認しておく必要があります。
自宅の適正価格
リースバック業者が提示してきた買取価格が適正かどうか判断するには、自宅の本来の価値がどれくらいなのか、自身でもある程度理解しておく必要があります。
一般的に、リースバックの買取価格の相場は市場価格の70%~90%程度といわれています。
複数の不動産会社に査定を依頼して一般的な市場価格を算出し、大きくかけ離れている場合は交渉してみると良いでしょう。
また、リースバック業者も1社だけでなく、複数社に依頼して比較検討することが重要です。
契約種類と内容
賃貸物件の契約形態には、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。
普通借家契約とは、基本的に借主の意思で更新可能な契約方法です。
貸主側から正当な事由として認められる解約の申し入れがない限り、その物件に住み続けることができます。
それに対して定期借家契約とは、更新のない契約方法です。
定められた契約期間が終了すると、たとえ借主が希望しても、貸主の合意がなければ引き続き住むことができません。
このためリースバック後も長く自宅に住み続けたいなら、普通借家契約を締結する必要があります。
また、家賃の値上げや強制退去などのトラブル予防のためにも、その他の契約内容もよく確認しておくことが大切です。
リースバック後の家賃負担
リースバックは、自宅を売却することで一時的に大きな資金を得られますが、その後に発生する家賃のことを忘れてはなりません。
買取価格と家賃、賃貸借期間の3つのバランス、そして月々の支払い負担と支払い総額の目安を計算したうえで契約を結びましょう。
特に買い戻しを前提としている場合は、家賃の支払いがあるなかで計画的に貯金しなければならないため、より慎重に考える必要があります。
買い戻しの条件
リースバック後の買い戻しを視野に入れている場合は、買い戻しの条件や金額などの詳細もよく確認する必要があります。
将来買い戻しを検討している場合は、契約時に売買予約をし、買い戻し価格や買い戻しまでの期間を予約契約書に明記する、売買契約と同時に買い戻し特約を契約するなど、あらかじめ買い戻しを前提とした契約を結んでおくと安心です。
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リースバックの買い戻し方法を解説!買い戻し価格や住宅ローンの可否についても紹介
マンションのリースバックに関するよくある質問
- 住宅ローンが残っていても大丈夫ですか?
- はい、原則住宅ローンの残債がある場合でもリースバックを利用できますが、ローンの残債状況などにもよりますので、詳しくは「リースバックプラス+」の担当者までお問い合わせください。
- マンションの管理費・修繕積立金は不要ですか?
- はい、基本的には事業者が負担することになるため、お支払いいただく必要はありません。ただし、その分家賃が高くなる傾向にあることにも注視しましょう。
まとめ
マンションでもリースバックは利用可能です。
戸建て住宅に比べて対応業者の数は少なくなりますが、毎月の管理費や修繕積立金などが業者負担になるというメリットもあります。
また、マンションに限らず、家賃の値上げや買い戻しができないなどリースバックでよくあるトラブルを防ぐには、信頼できる業者と目的に合った契約を結ぶことが大切です。
「リースバックプラス+」では、長く自宅に住み続けたいという方にぴったりの標準プランと、期間を定めてお得に住める定期プランの2つをご用意。
標準プランでは、長く住むほどに再購入価格が下がる&3年目以降は当社の新築戸建てに住み替え可能という、業界初の仕組みを導入しています。
また、定期プランでは賃料が最大1年間0円になる「賃料優遇タイプ」と、売却価格と同額で買い戻せる「買戻優遇タイプ」の2つから選ぶことが可能です。
ご自身の目的に合ったプランで無理なく、資金調達や自宅の再購入を目指したリースバックを検討してみてください。