2025.12.12 | マイホーム
シューズインクローゼットとは?シューズクロークとの違いや種類、メリット・デメリットを解説
目次
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リーズナブルにマイホームを建てると安心した将来設計が可能になります。
※1. 出典:日経業界地図2023年版
玄関をスッキリ保つ収納として人気を集めている「シューズインクローゼット(SIC)」。近年は新築やリノベーションの際に設置を希望する方が増えています。しかし、似た言葉の「シューズクローク(SC)」や「ウォークインクローゼット(WIC)」との違いがわからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、それぞれの違いや種類、メリット・デメリットを徹底解説します。
1. シューズインクローゼット(SIC)とは
シューズインクローゼットとは、玄関付近に設けられた、靴を履いたまま出入りが可能な収納スペースのことを指します。
一般的なシューズボックスと異なり、小部屋のように独立した構造を持っているため、靴だけでなく傘など雨具やベビーカー、アウトドア用品など屋外で使用する物をまとめて収納できるのが特徴です。
1.1. シューズクローク(SC)との違い
シューズクローク(SC)は玄関にある靴を収納する小部屋、シューズインクローゼット(SIC)は靴のまま入れるクローゼットという意味合いで使用されてはいますが、両者に明確な定義の違いはありません。
実際には、図面上でシューズインクローゼットの場合はSIC、シューズクロークの場合はSCと略される程度であり、呼び方の違いによる機能面での大きな差はありません。
1.2. ウォークインクローゼット(WIC)との違い
ウォークインクローゼット(WIC)は主に衣類を収納する部屋で、寝室や廊下に隣接して設けられます。
シューズインクローゼットが玄関に設置され、靴やアウトドアグッズなどを収納するのに対し、ウォークインクローゼットは衣類や小物など屋内で使う物を収納するという点で役割が異なります。また、靴のまま出入りするかしないかが大きな違いになります。
ウォークインクローゼットについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
>>ウォークインクローゼット(WIC)とは?クローゼットとの違いとメリット・デメリットを解説!
2. シューズインクローゼットの種類
シューズインクローゼット(SIC)は、その特徴ごとに以下の4種類に分けることができます。
2.1. ウォークインスタイル
ウォークインスタイルは、人が中に入って靴を出し入れするタイプです。玄関内に入り口が一つ取り付けられており、靴を片付けて再度玄関を通り室内に入る動線となります。
壁面が多く確保できるため収納スペースが豊富で、靴以外にもゴルフバッグやアウトドア用品など重さのあるものを収納するのにも向いています。
壁面に可動棚を設置すれば、長靴やブーツなど高さのある靴にも対応可能です。
2.2. ウォークスルースタイル
玄関から室内へ直接通り抜けできるタイプがウォークスルースタイルです。
「玄関⇄シューズインクローゼット⇄室内」のように2方向に出入り口を設けることで、帰宅後すぐに靴や荷物を片づけてから室内に入ることができ、スムーズな動線が確保されます。
さらに、シューズインクローゼット側を家族用の出入り口、玄関を来客用と使い分ければ、普段から靴のないすっきりとした玄関を保つことができます。
2.3. オープンスタイル
扉を設けず、玄関と一体化させた開放的なデザインがオープンスタイルです。収納スペースを壁で区切らずに棚板などを設置して使うタイプで、区切られていないことで玄関部分が広く感じられる点が魅力です。
ただし、収納部分がすべて見えている状態となるため、整理整頓された状態を保つ必要があります。
靴や用品の並べ方、棚の素材選びなどを工夫すると、空間をおしゃれに演出できます。
2.4. クローズスタイル
クローズスタイルは扉や引き戸で仕切るタイプです。出入り口に扉が設置されていることで、玄関からシューズインクローゼット内が見えにくくなり、来客時に生活感を見られる心配がありません。
玄関からの見た目もすっきりと整えやすく、デザイン面でもメリットがあります。
一方で、扉の設置にはコストがかかるうえ、扉の開閉に必要なスペースも考慮しなければなりません。湿気対策として換気扇や窓をつけることも検討しましょう。収納量を重視するなら、奥行きを広めに設計するのがおすすめです。
3. シューズインクローゼットのメリット・デメリット

シューズインクローゼット(SIC)は便利な反面、注意点もあります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
3.1. メリット
シューズインクローゼットのメリットとして挙げられるのは、次の5つです。
- メリット1:汚れや濡れを部屋に持ち込みにくい
- メリット2:玄関スペースがすっきりする
- メリット3:屋外で使用する物をまとめて収納できる
- メリット4:生活動線が快適になる
- メリット5:防災用品の置き場に適している
3.1.1. メリット1:汚れや濡れを部屋に持ち込みにくい
シューズインクローゼットに靴や雨具を収納することで、泥汚れや水滴を玄関内に留められます。特に子どものいる家庭やアウトドア用品を扱う方には便利です。さらに、子どもの砂場遊びのおもちゃや雨天時のコートなども収納できるため、室内や廊下を汚しにくくなり、結果として室内の掃除がしやすくなるメリットもあります。掃除の頻度を減らせるだけでなく、玄関タイルの寿命を延ばす効果も期待できます。
3.1.2. メリット2:玄関スペースがすっきりする
玄関の見た目を左右するのが「靴の数」。平均的な家庭では1人あたり10足前後の靴を所有しているという調査結果があります。家族の人数が多いとその分靴の数も増え、玄関が靴だらけになってしまいがちで、来客時に急いで片付ける場面も少なくありません。
シューズインクローゼットを設けておけば、普段から決まった場所に靴を片付ける習慣ができるうえ、通常の靴箱よりも広い収納スペースを確保できるため、家族全員分の靴がすっきり収まります。そのため、急な来客時や玄関先での対応にも慌てずに済み、常に清潔感のある玄関を保てます。
3.1.3. メリット3:屋外で使用する物をまとめて収納できる
ベビーカー、傘、ゴルフバッグなど、屋外用アイテムを一箇所にまとめられます。屋外で使用する物の保管場所として、ベランダや玄関先に置く方も多いですが、野ざらしにすると劣化の原因になりやすく、取りに行く手間も発生します。
シューズインクローゼットに収納しておけば、外出の流れでそのまま手に取れるため効率的で、忘れがちな物を視界に入る場所に置くことで、持ち出し忘れも防げて便利です。動線がシンプルになり、外出・帰宅時の手間を減らすことができます。
3.1.4. メリット4:生活動線が快適になる
ウォークスルータイプのシューズインクローゼットなら、「玄関→収納→室内」への動線が直線的になるため、雨の日や荷物の多い日でもスムーズに移動でき、日常のストレスが軽減されます。
また、靴を履いたまま出入りが可能な空間であるため、例えば外に出てから上着が欲しくなったときに、すぐにコートやマフラーを取りに戻ることができ、わざわざ靴を脱いで室内に戻る必要がありません。
このように、寒暖差がある季節でも気軽に衣類を調整できるため、より実用的な空間として活躍します。こうした動線の良さが、日々の暮らしの快適さにつながります。
3.1.5. メリット5:防災用品の置き場に適している
玄関に近いシューズインクローゼットは、防災用品の置き場に適しています。いざという時にすぐ持ち出せるという利点があり、水や非常食、懐中電灯、ヘルメットなどを、家族分まとめて収納できます。
3.2. デメリット
シューズインクローゼットのデメリットとして挙げられるのは、次の4つです。
3.2.1. デメリット1:費用がかかる
シューズインクローゼットを設ける際には、棚板や棚受けなどの収納設備も設置する必要があるため、通常の玄関だけを設ける場合に比べてコストが高くなる点は避けられません。
間取りの調整や扉の設置なども含めるとより費用がかかる傾向があります。
3.2.2. デメリット2:玄関スペースが狭くなる
設置にはそれなりの広さが必要となるため、無理につくろうとすると玄関スペースが狭くなってしまったり、隣接する他の部屋に影響が出たりする場合があります。
シューズインクローゼットを設置する場合は、事前に広さの確認や種類を決めておきましょう。
特に1帖未満では収納力も使い勝手も中途半端になりやすいため、慎重な計画が求められます。
3.2.3. デメリット3:臭いや湿気がこもりやすくなる
シューズインクローゼットは空気がこもりやすいため、湿気や靴の臭いが気になってしまう場合があります。雨の日に傘やレインコートなどを濡れたまま放置してしまうと、湿気がこもりやすくなり、カビの原因にもなるため注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐためには、小窓や換気扇を設置し、しっかりと換気対策をおこなうことがポイントとなります。
3.2.4. デメリット4:物置化する恐れがある
広いシューズインクローゼットは便利な反面、つい何でも置いてしまいがちです。広さがあることで、何も考えずに物を次々と置いてしまうと物置状態になり、本来使用したい用途として機能しなくなる恐れもあります。
そのため、置くものはあらかじめ限定し、定期的に整理整頓を心がけることが大切です。特にオープンタイプの場合は収納物が丸見えになるため整理整頓を心がけ、また目隠しを設置するなどの対策も検討すると良いでしょう。
4. シューズインクローゼットの設置に適している方
シューズインクローゼット(SIC)は、その利便性を最大限に活かせる方にこそ特におすすめしたい設備です。次の3つに当てはまる方は、シューズインクローゼットを取り入れるのに適しているでしょう。
4.1. 外出時に荷物が多くなりがちな方
子どもがいる家庭や、仕事でバッグ・荷物が多い方はシューズインクローゼットが便利です。玄関にカバンやコートを置けると、出入りがスムーズになります。
仕事で使う資料やカバン、日傘や羽織ものなど、外出時に持ち歩くものが多い場合には、シューズインクローゼットにまとめて収納しておくことで、外出の際にそのまま持ち出せるため非常に便利です。
重さや大きさのあるものを室内で持ち歩く必要がなくなるのも大きなメリットです。
4.2. アウトドアやスポーツを好む方
登山靴・スノーブーツ・キャンプ用品など、屋外アイテムをまとめて収納できます。趣味に必要な道具を玄関近くで保管できるため、帰宅時に靴を脱ぐ前にそのまま置けるのも便利です。
特にアウトドア用品は重さや大きさがあるものが多く、汚れたまま持ち帰ることもあるため、室内に持ち込まずに済む点も大きなメリットです。
結果として、土汚れを家に持ち込まず、片付けと掃除の手間を省くことができます。
4.3. 家族の人数が多い方
4人以上の家庭では、玄関に靴が溢れてしまいがちです。十分な収納を確保することで、玄関の散らかりを防ぎ、常に快適な空間を保つことができます。
また、家族の人数が多ければ多いほど、靴以外にも必要な物が増える傾向にあります。例えば子どもが部活動をしていたり、ペットを飼っている家庭では、道具やペット用品の収納場所にも困りがちです。
こうした物をまとめて収納できるシューズインクローゼットは、多くの物を効率的に片付けられる実用的な空間としておすすめです。
5. 使いやすいシューズインクローゼットにするポイント

シューズインクローゼット(SIC)を最大限に活かすには、設計段階から次のポイントを意識することが大切です。
- ポイント1:必要な広さを考えてつくる
- ポイント2:動線を意識したつくりにする
- ポイント3:収納するものを考えたつくりにする
- ポイント4:アイテムの追加で快適性を上げる
- ポイント5:可動式の棚を取り入れる
- ポイント6:デメリット対策の設備をつける
5.1. ポイント1:必要な広さを考えてつくる
シューズインクローゼットをつくる際に必要な広さの目安は、玄関に1.5〜2帖を足した程度のスペースが必要とされています。
さらに、シューズインクローゼット内でコートをかけたり、荷物の整理をおこなう作業スペースを確保したい場合は、3帖程度の広さがあると快適です。
家族3〜4人の場合、靴だけではなく傘立てや小物を置くスペースも見込んで設計しましょう。
5.2. ポイント2:動線を意識したつくりにする
「玄関⇄SIC⇄室内」「駐車場⇄SIC⇄玄関」など、生活動線を短くする設計がポイントです。シューズインクローゼットをどの種類で、どこに、そしてどこへつながるように配置するかによって、日々の快適さや利便性が大きく変わってきます。
例えば、買い物帰りに荷物をすぐ片付けたいならキッチンへ、子どもがいるご家庭で帰宅後すぐに着替えや手洗いをさせたい場合は洗面脱衣室へつなげるなど、目的に応じた配置を検討しましょう。
設置前にはこうした動線の確認をしっかりおこなうことが重要です。
5.3. ポイント3:収納するものを考えたつくりにする
靴以外に何を置くかを事前に決めておくと、棚の高さや奥行きを最適化できます。
シューズインクローゼットは物置化しやすいというデメリットがあるため、置くものを明確にせずにつくると使いづらい空間になってしまう恐れがあります。
事前に何をどれくらい収納したいかをピックアップしておくことで、完成後の使用イメージが明確になり、どのように収納するかも考えやすくなります。
5.4. ポイント4:アイテムの追加で快適性を上げる
シューズインクローゼットのスペースに余裕を持たせ、照明や人感センサー、姿見ミラーなどのアイテムを追加することで、より快適な空間にできます。
光が入りにくい場所にはセンサーライトの設置で明るさを確保でき、姿見を取り入れることで外出前の身だしなみチェックもスムーズにおこなえます。
また、椅子を置けば靴の着脱も楽になり、収納以外の機能を取り入れることで利便性がさらに向上します。特に間接照明は、空間を広く見せる効果もあります。
5.5. ポイント5:可動式の棚を取り入れる
可動式の棚やハンガーを取り入れることで、季節や用途に合わせて高さを調整できるだけでなく、家族の成長やライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。
例えば子どもの成長に合わせてハンガーの高さを変えたり、棚の位置を移動させることで無駄なスペースを減らすことができるため、長期的に見ても便利です。
5.6. ポイント6:デメリット対策の設備をつける
シューズインクローゼットは臭いや湿気がこもりがちな空間のため、対策が重要です。以下のような設備を取り入れ、快適性と機能性を高めましょう。
| 対策内容 | 目的・効果 |
|---|---|
| 小窓の設置 | 自然換気を促進し、湿気や臭いを逃がす |
| 通気性のあるドアの採用 | 空気の循環を確保し、こもりやすさを改善 |
| 換気扇の設置 | 強制換気で湿気や臭いを排出 |
| 除湿機の活用 | 湿度を適切に保ち、カビの発生を防ぐ |
| エコカラットなどの調湿建材 | 臭いや湿気を吸収し、空間を快適に保つ |
| 人感センサー付き照明 | 両手がふさがっていても自動で点灯し便利 |
6. 一建設のシューズインクローゼットの建築実例をご紹介
一建設では、家族構成やライフスタイルに合わせたシューズインクローゼット(SIC)の設計を多数手がけています。ここでは実際の施工事例を紹介しながら、理想的な使い方をイメージしてみましょう。
6.1. 家族の趣味を詰め込める大きなシューズインクローゼット


玄関にエコカラットを施工することで、調湿・脱臭効果が得られ、梅雨時のジメジメとした空気を軽減できます。帰宅時に爽やかな空間が広がるため、自分自身も心地よく過ごせるだけでなく、来客時にも好印象を与える玄関づくりが可能です。
また、大きなシューズインクローゼットを設けることで、ブーツなど季節物の靴や、子どもの外遊び用おもちゃ、ご主人の趣味道具などもたっぷり収納できます。収納するだけでなく、飾るように見せる収納として活用すれば、個性と実用性を兼ね備えた空間になります。
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6.2. ディスプレイも兼ね備えたシューズインクローゼット


趣味でシューズをコレクションしている方にとって、収納と見せる楽しさを両立できるのが広めのシューズインクロークです。
お気に入りの靴を美しくディスプレイできる空間として設計することで、単なる収納場所ではなく、自分らしさを表現するスペースになります。来客時にも印象に残る玄関回りを演出でき、愛着のある靴をいつでも眺められる満足度の高い空間に仕上がります。
6.3. 生活動線を意識したシューズインクローゼット


玄関からシューズインクローク、パントリー、キッチンへとスムーズにつながるウォークスルー動線を確保することで、帰宅後すぐに荷物の片付けやキッチンへの移動がスムーズにおこなえます。買い物帰りで手がふさがっているときや、子ども連れでの帰宅時にも便利で、生活のしやすさが格段に向上します。動線を意識した設計は、毎日の家事効率を高めるだけでなく、家全体の快適性にもつながる重要なポイントです。
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上記以外にも、一建設ではお客さまのご要望に応じたさまざまな建築実績があります。ぜひ他の建築実例もご覧ください。
7. シューズインクローゼットを上手に活用して便利できれいな空間をつくろう

シューズインクローゼット(SIC)は、収納力だけでなく、動線の効率化や玄関の美観を保つためにも優れた設備です。ライフスタイルに合った設計や設備を取り入れることで、暮らしやすさが大きく向上します。
一建設株式会社では、シューズインクローゼットをはじめ、お客さまのニーズに合わせた注文住宅をご提案します。年間約9,000棟以上の供給ノウハウを活かし、低価格で高品質・高性能を実現可能にしました。
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