リースバックとは、住宅の所有者が不動産会社や投資家などに持ち家を売却し、同時に買主と賃貸借契約を結んで同じ家に住み続ける、不動産取引のことです。
売主は自宅の売却後も、引き続き同じ家に住み続けられます。一方で、買主は不動産を保有し続けて家賃収入を得たり、別の業者や投資家などに売却して利益を得たりします。
買主はなぜリースバック物件への投資を行うのか?その理由を知ることが、リースバックへの理解をより深めることにつながるでしょう。ここでは、リースバック物件のメリットとデメリットを買主視点でお伝えし、投資対象としての特徴をお伝えしていきます。
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買主から見た投資対象としてのリースバック物件のメリット
リースバック物件は、不動産投資の対象として見たとき、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここでは、買主の視点からリースバック物件のメリットをご紹介します。
高い利回りを期待できる
リースバック物件の買主になると、高い利回りを期待できるのがメリットです。リースバック物件の売却価格は、市場相場と比較して2~3割程度下がる傾向にあります。仕入れた物件で賃貸を行う場合、賃料は売却価格に期待利回りを乗せて設定します。このとき期待利回りの相場は6~13%程度が目安です。市場価格よりも安く仕入れやすく、かつ周辺の物件よりも利回りが高いため、投資目的の方から注目されています。
安定的に家賃収入を得られる
リースバック物件は通常の賃貸借契約とは異なり、不動産の売主がそのまま借主となるのが特徴です。仕組み上すでに借主が決まっている状態で投資できるため、賃貸物件には空室期間がありません。また、物件に長く住み続ける借主が多いことから、空室になるリスクが少なく、安定的に家賃収入を得られるのがメリットといえるでしょう。賃貸を行うにあたり、入居者を募集したり、空室対策のためのリフォームを行ったりする必要もありません。
売却で利益を出しやすい
リースバック物件は、売却する場合にも利益を出しやすいのがメリットです。そもそも市場価格よりも安い価格で物件を購入しているので、売り出し価格を下げても利益を確保しやすくなります。そのため、一定の期間は賃貸物件として家賃収入を得て、その後に市場価格で売却する不動産会社や投資家が少なくありません。また、リースバック物件は売主が買い戻しを希望する可能性もあるため、より短期間での売却も期待できるでしょう。
買主から見た投資対象としてのリースバック物件のデメリット
リースバック物件は、売主との契約内容によっては、投資においてデメリットが生じることもあります。引き続き買主の視点から、リースバック物件のデメリットをご紹介します。
契約後から一定期間は売主に貸すことになる
リースバック物件では、不動産の売買と賃貸を同時に行います。不動産の売主が、そのまま賃貸物件の借主となるのが大きな特徴です。賃貸借契約を結んでから一定期間は、物件を売主に対して貸すことになります。最初の借主はすでに決まっていて、貸主が自由に選ぶことはできません。また、家賃の変更を希望するとき、売主が住んでいる期間は家賃設定を変えられないのも、通常の賃貸物件とは異なる点です。
売主が買い戻しを希望する場合に応じる必要がある
リースバック物件は、賃貸借契約の内容にもよりますが、売主による買い戻しに応じる必要があります。売買時の契約書に買い戻しについての条項がある場合は、売主の希望で売り渡さなければならないのがデメリットです。売主による買い戻しは、基本的には買主にとってメリットといえます。しかし、物件を長期間にわたり保有し続けたい方には不向きといえるでしょう。リースバック物件は、短期間で売却したい方に適しています。
自宅を不動産会社や投資家にリースバックするときの注意点
買主の視点から見たリースバック物件のメリットとデメリットを踏まえたうえで、リースバックするときの注意点をお伝えします。ご自宅のリースバックは慎重にご検討ください。
賃貸中にオーナーが変わることがある
リースバック物件は、賃貸中に貸主が別の不動産会社や投資家に物件を売却する可能性があります。たとえば、賃貸を続けて家賃収入を得るよりも、売却したほうがより多くの利益を得られるケースなどです。オーナーが変わっても賃貸借契約の内容は引き継がれますが、場合によっては契約の更新を拒まれたり、家賃の値上げを提示されたりするおそれがあります。賃貸中にオーナーが変わるリスクについて考慮しておきましょう。
相場よりも家賃が高くなるおそれがある
前述のように、リースバック物件の家賃は、買主が求める利回りにより決まっています。このような理由から、周辺の賃貸物件と比べて賃料が高くなるケースが多いのです。別の賃貸物件への引っ越しを検討したほうが、長期的に見て費用を抑えやすいといえます。条件に納得できないときは、リースバック以外の方法も視野に入れましょう。ただし、不動産売却後も自宅に住み続けられるのは、リースバックだからこそ実現できるメリットです。
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「買主の視点からリースバックへの理解を深めよう」
自宅のリースバックを検討している方が、リースバックへの理解をより深めるために、投資対象としてのメリットとデメリットをご紹介しました。
リースバック物件は高い利回りが期待でき、安定した家賃収入を得やすいのがメリットです。また、売却による利益を出しやすく、不動産投資家から投資対象としても注目されています。一方で、不動産の売主が賃貸借契約の借主となるため、投資において制限を受ける部分が少なからずあるのは、買主にとってデメリットと言えるでしょう。
こういった買主視点での情報を踏まえて言えるのは、リースバック物件は投資家や不動産会社の利益次第で、オーナーが変わったり家賃が上げられたりする可能性があるということです。これらのリスクに備えて自宅に住み続けたい方には、一建設が提供するリースバックのサービス「リースバックプラス+」をおすすめいたします。
一建設の「リースバックプラス+」は、自社買取・自社管理による信頼性の高さが特徴です。たとえば標準プランなら、普通賃貸借契約を結び、長期間にわたり自宅に住み続けることができます。短期的な買い戻しのご予定がない方にもご利用いただけて安心です。さらに、賃貸では敷金・礼金・仲介手数料・更新料などが不要で、負担の軽減につながります。リースバックのご相談は、どうぞお気軽に一建設までお問い合わせください。