リースバックを利用する際の家賃は、その後の安定的な生活設計を考える上で重要なポイントです。リースバックの家賃は、どのように設定されているのでしょうか。今回は、リースバックの家賃を設定するときの基本的な仕組みや家賃相場などについて分かりやすく解説します。
リースバックの家賃設定の仕組み
リースバックとは、「老後の資金が欲しい」「住宅ローンの返済が苦しい」などの理由で自宅を売却し、売却資金を受け取った後でも毎月の家賃を支払いながら、そのまま自宅に住み続けられるシステムです。
長期にわたって支払いが続く家賃は、リースバックを契約した後に安定した生活を築く上での鍵となります。通常、賃貸物件の家賃は築年数や部屋数、広さをはじめ、その地域の家賃相場などに基づいて設定されます。しかし、リースバックにおける家賃は、物件の売却金額や買主(投資家)が期待する利回りによって設定される仕組みです。売主が必要とする資金の額、家賃の支払い能力なども考慮されます。
リースバックの家賃は、物件の売却金額に応じて高くなっていきます。そのため、もし毎月の家賃を低く抑えたい場合には売却金額も下げる必要があり、その分、売主の手元に残る資金は少なくなります。
投資家視点での家賃設定方法
リースバック業者などの投資側は、物件の貸主となることで収益を得ます。一般的な不動産に投資するのであれば、投資家はその物件の売却先や借主を自由に決められますが、リースバック物件ではすでに借主が決定しています。不動産価値の低下や借主が家賃を払えなくなるといったリスクに備え、買取価格は賃貸物件の相場よりも2~3割程度安く抑えられるのが通例です。
リースバックの家賃を決める際に買取価格とともに設定される利回りは、一般に期待利回りと呼ばれ、通常の不動産よりもやや高めに設定されます。期待利回りとは、希望する収益(賃料)が投資した物件価格に対して占める割合を表すものです。
期待利回りは、物件のリスクに応じて変動します。例えば新しい入居者を見つけやすい都市部や、築年数の浅い物件ではリスクが少ないと見なされ、期待利回りが低めでも問題がないと判断されます。一方で、入居者がなかなか決まらない地方の物件や築年数の長い物件などは、期待利回りが高くなる傾向にあります。リースバック物件の期待利回りは、6%~13%程度となるのが相場です。
周辺の家賃相場は影響されない点に注意
一般的な不動産では、家賃を設定するときに同じエリアの家賃相場に影響を受けます。しかし、リースバック物件の家賃設定では周辺の家賃相場が考慮されません。なぜなら、家賃は売却価格と期待利回りを基に設定されており、入居者を確保する目的で周辺の家賃相場を参考にする必要がないからです。そのため、一般的な賃貸物件の相場との間にずれを感じることがあるかもしれません。
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リースバックの買取価格と家賃(賃料)相場・算出方法、家賃を抑えるポイントを解説
リースバックの家賃相場
リースバック物件における年間の家賃相場は、売却価格の10%前後といわれています。例えば売却価格が2,000万円であれば、年間の家賃総額は200万円程度が目安です。月々の家賃にすると16~17万円になります。
想定される家賃が高く、長期的な支払いが困難と判断した場合には、売却価格を下げる方向で検討してみるのも一つの方法です。リースバック物件の家賃は売却価格を基に算出されるため、その価格を下げれば、家賃を抑えることにもつながります。
リースバックの家賃の計算方法
続いて、リースバック物件の家賃を算出する方法をご紹介します。1カ月分の家賃を計算する式は次のとおりです。
月々の家賃(賃料)=買取価格×期待利回り(年率)/12カ月
物件の売却価格と期待利回りを掛け合わせ、それを12カ月で割ります。場合によって、固定資産税をはじめとする税金や物件の管理費などがここに含まれます。
家賃設定の例
実際に、リースバックの家賃はどのように計算され、設定されるのでしょうか。
原則として、家賃は売却価格とそれぞれの買主による期待利回りに応じて設定されます。例えば、同じ物件で同様の期待利回りを設定しても、売却価格によっては家賃に次のような違いが生じます。
A 売却価格 1,500万円 期待利回り 10%の場合
(1,500万円×10%)÷12カ月=1カ月の家賃 12万5,000円
B 売却価格 900万円 期待利回り 10%の場合
(900万円×10%)÷12カ月=1カ月の家賃 7万5,000円
Aは売却価格が多い分、家賃も高く設定されています。物件の売却によってまとまった資金を得られますが、家賃を継続して支払えるかどうかをあらかじめよく検討する必要があるでしょう。
一方、Bでは売却価格を下げ、家賃も低く設定しています。売却金額は減るものの家賃の負担は軽減されるので、生活の安定を維持したいときに適した選択といえます。
また、リースバックにおける買戻価格も売却価格を基に算出されます。そのため、将来的な物件の買い戻しを想定し、あえて売却価格を低く設定するケースも見られます。
以上はあくまでも例であり、物件の概要や売主の収入、住宅ローンの残金などの状況によって、売却価格や期待利回り、実際の家賃は異なります。
売却後も自宅に住むことができるリースバックでは、売却価格だけではなく、毎月の家賃を払い続けられるかどうかも利用にあたっての重要なポイントです。契約時には、現在の財務状況だけでなく、将来の収入予測や病気などのリスクを勘案した上で家賃や売却価格を検討してください。
一建設株式会社の提供する「リースバックプラス+」では他社にはない仕組みを取り入れ、
様々なニーズに応えることができる2つのプランを用意しています。
売却後に賃貸契約を更新していくことが可能な「標準プラン」は、賃貸として住んだ長さに応じて再購入時の価格が下がる仕組みを、
業界で初めて導入しています。最短でも10年間、再購入価格が下がっていきます。また賃貸3年目以降は新築物件への引っ越しも可能という、こちらも業界初の試みです。
一方、比較的早期の買い戻しを計画している方や一時的な資金調達の方には「定期プラン」が向いています。こちらのプランでは、最大1年間の賃料が0円(以降は定期期間に応じて賃料設定)になる「賃料優遇タイプ」と、定期借家契約の期間を2年~5年と限定することで買戻価格が売却価格と同額(諸経費が別途かかります)となる「買戻優遇タイプ」があります。
また両プラン共通して、より快適で安心な生活のためのサポートサービスなども利用可能です。
このように、一建設株式会社の「リースバックプラス+」には、将来設計に合わせた充実のプランが用意されています。
リースバックをご利用になるなら、選べるプランと充実の特典が魅力のリースバックプラスをご検討ください。