親が高齢になるに連れ、お金のことが気になってくるでしょう。老後資金は十分にあるのか、年金でやりくりできているのかなど、心配になっている方もいるでしょう。ここでは、親のお金が十分にない場合、老後資金を確保する方法についてご紹介します。
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親のお金事情を心配している人は増えている
同居をしていても、していなくても、親の老後の経済的な問題について心配をしている人が増えているようです。「自分の生活で精一杯なのに、親の経済的なサポートまでできないかもしれない」と考えている人もいるかもしれません。
親のお金事情については、デリケートな話題だからこそ、触れずにきた人にとっては、余計に心配も増えることでしょう。大切なのは、親のお金事情が心配な方が、その不安を和らげるための方法や役立つ情報を知り、実践することです。いずれ触れなければならなくなる話題でもあるため、思い立った時にすぐに行動できるよう準備していきましょう。
年金だけでゆとりのある生活はできるのか?
仕事をリタイヤし、その後の収入は年金のみとなった場合、これまでと同様にゆとりのある生活が送れるのかについては、多くの人が気になるポイントではないでしょうか。
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦(無職)のみの世帯では、毎月の平均実収入はおよそ24万6,000円であることが分かりました。そのうち可処分所得は約21万4,000円、消費支出は約23万7,000円となっています。
つまり、この発表を参考にすると、可処分所得よりも消費支出が上回っており、その費用については貯蓄等から捻出されていると予想できます。これはあくまでも平均値であり、世帯によって状況は変わりますが、必ずしも年金だけでゆとりのある生活ができるとは言いきれないようです。
公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(2022年)」によると、老後に最低限必要な生活費を尋ねるアンケートで平均23万2,000円が必要と考えられていることが分かりました。
この2つの調査において、実際の無職の65歳夫婦の支出額と、全世帯が老後に最低限必要な生活費はおおよそ同じ水準にあり、いずれにしても年金収入だけでは賄いきれない部分があるということです。
節約をしながら生活をしたとしても、老後は介護や病気による入院などが発生しやすくなり、それらの支出にも備えなければなりません。
さらに、夫婦ともに国民年金収入のみだったり、無年金だったりする可能性を考えると、経済的にゆとりが持てる生活が難しい人も多いと考えられるでしょう。
参照:家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要(18ページ)
参照:2022(令和4)年度生活保障に関する調査(109ページ)
親のお金がない!そう感じたときにすべきこと
親のお金がないと分かった時、どのような方法でサポートできるのでしょうか。その方法を考える前に、まずは以下の内容を把握してお金がない原因を突き止める必要があります。
まず親のお金事情を確認する
まずは、親の収支状況を確認する必要があります。しかし、お金の話題はデリケートです。子どもには心配をかけたくない、収入を知られたくないと考える親もいます。お互いに気を遣わなくても良いように、ふだんの会話の中でそれとなく聞いてみるなどの工夫をすると良いでしょう。
①収入
無職の場合、主な収入源は年金です。他には、株の配当金や不動産収入などの収入がある場合も考えられるでしょう。
ひとまず、年金収入がいくらあるのかを見てみましょう。年金額は、「年金振込通知書」や「ねんきん定期便」で確認できます。年金が入る口座の預金通帳を見るのが難しい場合や、気が引ける場合は、これらの書類が便利です。
年金振込通知書は、基礎年金や厚生年金を受け取っている人が、日本年金機構から郵送によって通知されるものです。郵送物を保管されていない場合は、電子版のねんきん定期便での確認を行いましょう。
②支出
支出は、収入額のようにはっきりとした金額が見えにくい部分ですが、通帳で確認ができれば全体の支出額が把握しやすいでしょう。
お金がなくて困っている場合は、収入よりも支出が多くなっていると予想できます。大事なのは、支出の内訳から見直しができないかを探ることです。日用品費や食費といった変動費については節約によって支出を抑えることも可能で、日頃の心がけが大事になります。
一方、毎月必ず発生する水道光熱費や保険料の支払い、住居費といった固定費については、節約が難しいでしょう。プランや契約の見直しを行って、支出額を減らせるかどうかサポートしてあげる必要があるかもしれません。
③これからの支出
日本は世界トップレベルの長寿国です。高齢化に伴い、医療費や介護関連費などこれからの支出増加が心配されます。
たとえ、今現在は病気や介護の心配がなくても、いずれ病院に入院したり介護が必要になったりする可能性は十分にあります。もし、病気になって入院が長引いたらどうしようと不安に思うのは当然のことです。
病気の治療が必要になった場合、基本的には年齢に応じて自己負担額は下がっていきます。70歳未満の方の公的医療保険の自己負担額は3割ですが、70歳~74歳なら2割、75歳以上なら1割となります。もし、75歳以上でも、現役世代並みの所得がある人は2割や3割の負担となる場合もありますが、このくらいの収入があればお金がなくて困るといった事態はあまり生じないでしょう。
高齢世代の、医療費の自己負担額の平均は、1年あたり6万円~17万円ほどと言われています。また、介護費用についてはもっと高額になり、要介護者にかかる費用負担は1月あたり8万円程度のようです。
病気や介護の心配がないうちは、年金収入だけでやりくりできたとしても、その後については経済的なサポートが必要になる可能性があると言えるでしょう。
老後資金がない親の場合、どうサポートしていくべきか?
親の老後資金が十分にない場合、子どもの立場からどのようなサポートができるのか、具体的な方法を見ていきましょう。
あなたに金銭的な余裕がある場合
あなたに金銭的な余裕がある場合は、仕送り等でサポートすることができます。別居の場合は仕送りを、同居の場合は生活費全般を子どもが主となって支払うという形がとれます。どのくらいの金額をサポートできるのかは、それぞれの経済状況によっても変わるため、お互いに折り合いのつく範囲で決めていきましょう。
あなたに時間的な余裕がある場合
金銭的なサポートが難しくても、時間があれば親の経済的な負担を軽くすることが可能です。家事が難しく食費がかさむのであれば、食事を自炊してあげるのも良いでしょう。また、介護が必要になった時、あなたが介護の一部をできる範囲でサポートできれば、サービス利用で発生する費用が少なくなります。
公的な介護サービスの利用には、手続きや契約、準備なども必要です。ややこしい手続きを親だけでこなしていくのは大変な部分もあるため、子どもが介入するとスムーズに運びやすくなり、補助金の受け取りが早まるでしょう。
また、医療費や介護費として支払った費用が高額になると、「高額介護合算療養費制度」で負担額の一部が返還される可能性があります。これは申請しなければもらえないお金なので、子どもが中心となって手続きを助けてあげることをおすすめします。
金銭的にも時間的にも余裕が無い場合
金銭的にも時間的にも余裕がない場合は、状況によっては生活保護などの申請も検討する必要があるかもしれません。それほど切羽詰まっておらず、親の住まいが持ち家であるなら、リースバックでまとまった資金を得るという方法もあります。
リースバックに関するご質問・お問い合わせは一建設へ
リースバックは、不動産を売却しまとまった資金を得て、その後は賃貸として同じ家に住み続けられる手段のことを指します。老後に不安のある方におすすめな方法ですが、リースバック会社によってサポートの内容は異なるため、信頼のおける会社を選ぶ必要があるでしょう。
一建設の「リースバックプラス+」は、さまざまなニーズに対応できるよう複数のプランから選択できるのが特徴です。リースバック後に再度買い戻しをするのか、その予定はないのかによって適切なプランは変わってきます。ぜひ、一度お問い合わせください。
まとめ
親の老後資金について、不安を覚える方は少なくありません。実際、年金だけでは賄いきれず貯蓄を崩して生活をしている方はたくさんいます。子どもの立場から、どんなサポートができるのかを考えた時、金銭面の支援以外にもできることはあります。家計のやりくりの工夫はもちろんですが、それでも不安がある場合はリースバックも視野に入れて検討されてみてはいかがでしょうか。