「老後にいくらお金が必要なのか」「持ち家と賃貸、どちらが得なのか」―独身で老後を迎える方にとって、住まいとお金にまつわる悩みはつきものです。特に、退職後の収入が限られる中で、どう資産を活かして安心できる生活を送るかは、大きな課題といえるでしょう。
そんな中で注目されているのが、自宅を活用して老後資金をつくる方法です。例えば、自宅を売って住み替える「不動産売却」、自宅を担保にローンを組むリバースモーゲージ、さらに最近話題のリースバックなど、さまざまな選択肢があります。
特にリースバックは、自宅を売却して資金を得ながら、そのまま住み続けられる仕組みで、独身の方にとって老後の安心を確保する現実的な手段として支持が広がっています。
この記事では、老後に必要な資金や住まいの選択肢を整理しながら、資産を守りつつ生活の自由度を保てるリースバックのメリットと注意点を解説します。また、独身の老後にこそフィットする、一建設の「リースバックプラス+」の特徴もご紹介します。
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5,000万円で足りる?独身者の老後に必要な資金とは?
結婚や子育ての予定がなく、自分のことだけを考えればいい―そう聞くと、独身の老後は気楽な印象があるかもしれません。しかし実際には、頼れる配偶者や家族がいないからこそ、老後に向けた経済的な備えはより慎重に考える必要があります。
特に、平均寿命が延びている現代では、老後が30年以上続くことも決して珍しくありません。厚生労働省の「人生100年時代構想会議」によれば、2007年に生まれた日本人のうち、2人に1人が107歳まで生きる可能性があると推計されています。
さらに、2024年時点で100歳以上の人口は95,119人と、前年より2,980人増加し、54年連続で増加を記録しています。今後もこの傾向は続くと見られており、2050年には約46万7,000人に達すると予測されています。
こうした背景から、「老後資金は退職後に考えればいい」という考えでは対応しきれない時代になりつつあります。長寿社会を生き抜くためには、健康だけでなく、安定した生活を支えるだけの資金が必要です。
特に独身の方は、生活費や医療費、介護費用などをすべて自分で負担する必要があるため、早い段階から資産を形成しておくことが重要です。また、年金制度についても理解しておく必要があります。例えば、自営業者やフリーランスなど国民年金のみの人と、会社員や公務員として厚生年金に加入している人では、将来受け取れる年金収入額に大きな差が生じるため、老後資金を計画する上で厚生年金の仕組みや受給額を把握し対策しておくことが欠かせません。
ここでは、総務省の統計をもとに、独身者が老後を過ごすために最低限必要な資金、そして5,000万円の貯蓄があった場合にどのようなゆとりある生活が実現できるかをシミュレーションしながら、具体的に解説します。
最低限の老後資金による独身者の生活
老後を単身で迎える場合、公的年金だけでは生活費を賄うのが難しいのが現実です。
総務省の2023年「家計調査」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月平均145,430円です。これに税金や社会保険料などの非消費支出(月約12,243円)を加えて計算すると、支出総額は月157,673円になります。
一方、年金などによる実収入は月126,905円ほどにとどまり、毎月約3万円の赤字が発生しています。仮に65歳から平均寿命まで生きると想定した場合(男性:約16年/女性:約22年)、この赤字は累計でおよそ600万〜800万円にのぼります。
さらに、将来の介護費用や葬儀費用などの備えも考慮すると、最低限必要な老後資金は1,000万〜1,300万円程度とされています。
この金額があれば、節約を前提とした生活にはなりますが、基本的な衣食住を維持しつつ、突発的な医療費や急な出費にもある程度対応できます。ただし、旅行や趣味、外食といったゆとりある老後生活を望む場合は、さらにまとまった資金が必要になります。
最低限の資金だけで生活する場合、日々の出費を切り詰め、家計をしっかり管理しながら過ごすことが求められます。家賃や持ち家の有無、健康状態などによっても必要資金は大きく変わるため、自分自身の状況に合わせた資金計画が重要です。
出典:家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概要
老後資金が5,000万円ある場合の独身者の生活
老後資金として5,000万円を準備できている独身者の場合、経済的な不安が少なく、かなりゆとりのある生活を送ることが可能だといえます。この金額は、単に日々の生活費を賄うだけでなく、高齢期に発生しうる大きな出費にも対応できる水準とされています。
具体的なシミュレーションによると、独身者がゆとりある老後生活を送るために必要な資金は約3,554万円と試算されています。
これに加え、老後に直面する可能性のある医療費(約481万円)、介護費用(約581万円)、そして葬儀費用(約282.6万円)といった予期せぬ大きな出費を考慮すると、合計で約4,898.6万円、およそ5,000万円弱の資金があれば、想定されるリスクに十分対処でき、安心感を持って老後を過ごせると考えられています。
老後資金5,000万円を持つ独身者は、金銭的な心配を軽減し、より精神的な豊かさを追求できる生活を送れるでしょう。具体的には、以下のような生活が考えられます。
1 住居の選択肢が広がる
持ち家があれば維持費やリフォーム費用を心配せず、賃貸であれば家賃を気にせず快適な住まいを選ぶことができます。サービス付き高齢者向け住宅やより質の高いシニア向けマンションなども視野に入れられます。
2 趣味や自己投資への支出が叶う
日々の生活費だけでなく、旅行、習い事、趣味の道具購入、友人との外食や交流など、自身が楽しめる活動に十分な費用を充てられます。例えば、年に数回の国内旅行や時には海外旅行を楽しむなど、行動範囲も広がるでしょう。
3 健康と医療への備えが怠りなくできる
歯科治療や最新の医療技術、人間ドックなど、健康維持や病気の早期発見のための投資も積極的におこなえます。万が一の医療費や介護費用への備えがあるため、医療費の心配なく質の高い医療サービスを選択できる安心感があります。
4 社会貢献や新たな挑戦が可能
金銭的な余裕があることで、ボランティア活動への参加やこれまでの経験を活かした地域貢献、あるいは新たな学習や資格取得に挑戦するなど、セカンドキャリアや生きがいを見つける活動にも積極的に取り組めます。
5 精神的な余裕が生まれる
最低限の生活費に加え、不測の事態への備えがあることで、経済的な不安から解放され、心穏やかに日々を過ごすことができるでしょう。これにより、ストレスが軽減され、精神的な健康も保ちやすくなります。
このように、老後資金5,000万円は、単身者が日々の生活を満喫しながら、予期せぬ出費にも柔軟に対応し、精神的なゆとりを持って安心して老後を送るための、心強い基盤となるでしょう。
独身者の老後資金が5,000万円で足りないリスク

老後資金として5,000万円あれば、ゆとりある生活を送れるといわれていますが、それでも資金が不足する可能性がゼロとは言い切れません。年齢を重ねるほど生活環境や社会制度が変化し、思わぬ支出が発生することがあるためです。以下では、特に注意したい3つの主なリスクを紹介します。
医療費や介護費が増加するリスク
加齢にともない、病気や身体機能の低下により医療や介護の必要性が高まります。通院の回数が増えたり、入院や手術が必要になったりするケースもあり、自己負担が重くのしかかることがあります。さらに介護が必要になった場合、在宅介護・訪問サービス・有料老人ホームへの入居など、継続的な費用がかかることも考えられます。
例えば介護費用は、要介護度やサービスの内容によって大きく異なりますが、平均して月8万〜15万円程度かかるとされ、長期化すれば数百万円〜1,000万円超の出費も想定されます。医療費と併せると、老後の後半ほど支出の負担が増えるリスクが高まります。
そのため、たとえ5,000万円の老後資金があっても、想定以上の医療費や介護費が発生した場合、資金が不足する事態も考えられます。
年金の減額やインフレによる物価上昇のリスク
公的年金は老後生活の基盤ですが、この制度には不確実性がともないます。少子高齢化の進行により、今後は年金給付額の減少が避けられないとされており、実際にすでに支給開始年齢の引き上げやマクロ経済スライドといった調整制度が導入されています。これにより、現役世代が将来受け取る年金額は、今の高齢者よりも減少する可能性が高いのが現状です。
さらに、物価の上昇=インフレも見逃せません。インフレが進むと、食料品や日用品、公共料金などの生活必需品が高騰し、実質的なお金の価値が下がることになります。
仮に、年2%のインフレが20年間続いた場合、物価は約1.5倍になり、現在35万円の生活費が50万円以上に膨らむ可能性も指摘されています。
つまり、将来的には収入が減るリスク(年金減額)と支出が増えるリスク(インフレ)の両方に直面することになります。
そのため、たとえ老後資金として5,000万円を確保していたとしても、インフレや年金制度の変化によって、想定よりも早く資金が尽きてしまうリスクが高まります。
住まいの予期せぬリフォーム費用や修繕費発生のリスク
持ち家で老後を迎える場合、家賃が不要という安心感はありますが、修繕やリフォームといった突発的な出費が発生するリスクもあります。
マンションであれば管理費や修繕積立金などの維持費が継続的に発生します。戸建てであっても、屋根や外壁、給排水設備などの経年劣化にともなう修繕や定期的なメンテナンス費用が必要になります。
また、高齢者の暮らしやすさを考慮して、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリーリフォームをおこなう場合、100万〜300万円程度の費用がかかることもあります。
これらの費用は一度にまとまった額が必要となることが多く、老後資金5,000万円の計画に含まれていない場合、大きな予期せぬ支出となり、資金を圧迫するリスクとなりえます。
独身の老後、住まいは「賃貸VS持ち家」どっちが安心?
独身で老後を迎えるにあたって、「賃貸か持ち家か」の選択は重要です。
賃貸は気軽に住み替えができる一方で、高齢になると入居審査が厳しくなったり、保証人や収入の条件で断られるケースも増えます。また、年金生活では家賃負担が重く、将来の不安要素にもなり得ます。
その点、持ち家であれば家賃が不要なため、年金だけでも生活を維持しやすくなります。住宅ローンを完済済みなら、住居費の心配はさらに軽減されます。加えて、持ち家は資産として売却や資金化も可能で、老後資金に活用する選択肢が広がります。
維持費や修繕費はかかりますが、住まいが確保されている安心感は大きく、総合的に見て、独身者にとっては持ち家のほうが老後を安定して過ごしやすいといえるでしょう。
独身者が持ち家を活かして老後資金をつくる方法比較
老後を迎えるにあたって、持ち家は貴重な資産となります。これを有効に活用して、老後資金を確保する方法はいくつかあります。特に独身者の場合、家族構成の変化が少ない分、ライフスタイルに合わせて柔軟に住まいを活かしやすいのが特徴です。代表的な選択肢としては、自宅を売却して住み替える方法、リバースモーゲージ、そしてリースバックが挙げられます。
自宅を売却して住み替える
自宅を売却し、よりコンパクトで生活コストの低い住まいに住み替えることで、老後資金を確保する方法があります。
特に都市部の戸建てやマンションに長年住んでいる方であれば、売却によって得られる資金がまとまった金額になるケースも多く、その資金を老後の生活費や医療費、介護費に充てることが可能です。
また、住み替え先としては、物価や固定資産税が比較的安い地域を選ぶことで、生活費全体を抑えることができ、年金のみでも安定した暮らしを実現しやすくなります。
高齢になると、広すぎる家の管理や階段の上り下りが負担になることもあるため、バリアフリー化されたコンパクトな住まいへ移ることで、生活の安全性や快適性も向上します。
住み慣れた家を手放す不安はあるものの、将来に向けた資金の備えや生活の最適化を考えると、自宅の売却と住み替えは、持ち家という資産を有効に活かす選択肢の一つといえるでしょう。
自宅を担保にローンを組むリバースモーゲージ
リバースモーゲージは、自宅を担保にして、金融機関から老後資金などを借り入れるローンです。住み続けながらお金を受け取れ、返済は基本的に本人の死後に自宅を売却しておこないます。毎月の返済は利息のみで、年金にプラスして資金を確保できるのがメリットです。
ただし、利用には、物件の評価額、築年数、契約者の年齢(多くは60歳以上)など、金融機関や地域によって異なる条件があります。また、金利上昇リスクや将来的に自宅の資産価値が下がると借入可能額が減る場合もあるため、利用前には十分な検討が必要です。
自宅を売却して住み続けるリースバック
リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却して現金化し、売却後も賃貸契約を結んでそのまま住み続けることができるサービスです。
所有権は手放しますが、住み慣れた家で生活を続けながら、まとまった資金を確保できるのが特徴です。将来的に再購入することも可能なため、柔軟な資産活用法として注目されています。
今すぐまとまった資金が欲しい方、住宅ローンを完済したい方、住宅の維持費を抑えたい方、老後の暮らしにゆとりが欲しい方、相続問題を解決したい方などにおすすめの選択肢です。
独身者だからこそ選びたい!一建設「リースバックプラス+」の特徴
一建設の「リースバックプラス+」は、独身の方に特に魅力的な独自のサービスが充実しています。
まず、将来の住まい方を柔軟に選べる2つのプランが特徴です。期間の制限なく住み続けられる「標準プラン」と、一時的な資金調達や将来的な転居を検討している方向けに最大1年間家賃無料となる「定期プラン」があり、ライフスタイルに合わせて選択できます。特に定期プランの1年間の家賃無料期間は、まとまった資金を得た後にさらに初期の経済的負担を軽減し、新たな生活のスタートを力強く後押ししてくれます。
独身の方は、将来の介護や医療費、相続準備など、ご自身で考えるべきことが多くあります。リースバックプラスを利用すれば、自宅という大切な資産を有効活用して資金を確保し、これらの将来の不安を軽減できます。
まとめ
独身で老後資金として5,000万円を用意できたとしても、それが一生涯にわたる安心を保証するとは限りません。医療費や介護費、住まいの維持費、想定外の支出など将来のリスクは多岐にわたります。また、長寿化が進む中で、資金をどのように使い、どう守っていくかも大切です。
そんなとき、自宅という資産を活用することで、さらなる安心を得るという選択肢もあります。一建設の「リースバックプラス+」なら、まとまった資金を確保しながら、住み慣れた家にそのまま住み続ける事が可能です。
老後のリスクに備えながら、ゆとりある暮らしを実現するために、ぜひご検討ください。















