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マンション売却でかかる税金と諸費用

マンションを売却する際には、税金だけでなく、さまざまな諸費用が発生します。
■ 税金
| 税金の種類 | 概要 | 発生条件 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する国税 | 必ず発生 |
| 登録免許税 | 抵当権抹消登記にかかる国税 | 住宅ローンが残っている場合 |
| 譲渡所得税(所得税・住民税) | 売却益(譲渡所得)に対する税金 | 売却益が出た場合 |
| 復興特別所得税 | 譲渡所得税に2.1%上乗せ | 売却益が出た場合 |
■諸費用
| 費用の種類 | 概要 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 仲介売却の場合のみ発生する成功報酬 | 売却価格×3%+6万円(税別)が上限 |
| 司法書士費用 | 抵当権抹消・所有権移転の登記手続き代行 | 3万〜5万円程度 |
| ハウスクリーニング費用 | 売却前の清掃(任意) | 3万〜10万円程度 |
| 住宅ローン一括返済手数料 | ローン残債がある場合に発生 | 金融機関により異なる(数千円〜数万円) |
| 引っ越し費用 | 退去が必要な場合 | 5万〜20万円程度(距離・荷物量・時期による) |
印紙税
不動産売買契約書を作成する際に課される税金です。税額は売買契約書に記載された取引金額(売却価格)によって段階的に定められており、現在は軽減税率が適用されます。
登録免許税
登録免許税は、不動産の登記手続きにかかる税金です。マンション売却時、住宅ローンが残っている物件では、抵当権抹消登記が必要になります。
抵当権抹消登記にかかる登録免許税は不動産1個につき1,000円で、マンションの場合は土地と建物で2,000円となるのが一般的です。また、登記手続きを司法書士に依頼する場合は、別途司法書士費用も発生します。
譲渡所得税(所得税・住民税)
マンションの売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合に課されます。所有期間によって税率が異なり、売却益が大きいほど納税額も増加します。税率は下記の通りです。
| 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 (復興特別所得税含む) | |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 20.315% |
譲渡所得税の計算は、所有期間や特例の適用・減価償却なども考慮しなければならないため計算が煩雑です。税理士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
復興特別所得税
復興特別所得税は、東日本大震災からの復興財源を確保するために設けられた税金です。マンション売却で譲渡所得が発生した場合は、譲渡所得税に加えて復興特別所得税も課されます。税率は、課税対象となる譲渡所得税額の2.1%で、譲渡所得税と併せて納付します。
仲介手数料
売却成立時に不動産会社へ支払う成功報酬です。法律で上限額が以下のように定められています。
仲介手数料上限(売却価格400万円超)=売却価格×3%+6万円+消費税
仮に4,000万円で売却した場合、仲介手数料の上限は 126万円+消費税 となります。この金額はあくまで上限であり、範囲内であれば不動産会社が自由に設定できます。
ほとんどの会社が上限額で設定していますが、媒介契約の種類(専任媒介・専属専任媒介など)によっては値引き交渉が可能な場合もあります。
なお、仲介手数料は売却が成立しなければ発生しません。売却活動に入る前に仲介手数料を請求してくるような不動産会社には注意しましょう。
司法書士費用
司法書士費用は、抵当権抹消登記などの手続きを司法書士へ依頼する際に発生する費用です。必要書類の作成や法務局への申請を代行してもらえるため、スムーズに手続きを進められます。
ハウスクリーニング費用
ハウスクリーニング費用は、室内を清掃して物件の印象を高めるためにかかる費用です。必須ではありませんが、内覧時の印象向上や早期売却につながる可能性があります。
住宅ローン一括返済手数料
売却代金で住宅ローンを一括返済する際、金融機関に支払う事務手数料です。手数料の額や手続き方法は金融機関によって異なります。
引っ越し費用
売却にともない新居へ引っ越すための費用です。家族の人数、荷物の量、移動距離のほか、3〜4月などの引っ越し繁忙期には料金が高騰するため、事前に対策を立てておくことが大切です。
譲渡所得税の計算方法とシミュレーション

譲渡所得の算出方法
譲渡所得は、以下の計算式で算出します。
譲渡所得=譲渡収入金額-(譲渡費用+取得費用)
- 譲渡収入金額
譲渡収入金額は、マンションの売却価格に固定資産税・都市計画税の清算金を加算した金額です。
- 譲渡費用
譲渡費用とは、マンションを売却するためにかかった費用のことです。主なものとして、不動産会社に支払う仲介手数料や売買契約書の印紙税などが該当します。
- 取得費用
取得費用とは、マンションの購入代金と購入時の仲介手数料に「設備費-減価償却類経費」の金額を加算した金額です。
減価償却費の算出方法
「減価償却費」とは、経年劣化で建物の価値がどれくらい下がったのかを示す金額のことです。先述した取得費用ではマンションの購入代金を丸ごと計上するのではなく、減価償却の分を差し引かなければなりません。減価償却費は、以下の計算式で算出します。
減価償却費=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数
なお、償却率は建築方式や用途などで以下の通り定められています。
| 建築方式 | 居住用 | 事業用 | ||
|---|---|---|---|---|
| 耐用年数 | 償却率 | 耐用年数 | 償却率 | |
| 木造 | 33年 | 0.031 | 22年 | 0.046 |
| 軽量鉄骨造 | 40年 | 0.025 | 27年 | 0.038 |
| 鉄筋コンクリート造 | 70年 | 0.015 | 47年 | 0.022 |
譲渡所得にかかる税率
譲渡取得にかかる税率から、譲渡取得税を算出しましょう。
譲渡取得税の税率は、マンションの所有期間が5年以下の場合と5年超の場合で異なります。
なお、譲渡所得税率の場合は所有期間をカウントする際に売却した年の1月1日時点を判断基準とすることに注意が必要です。例えば2021年8月に購入したマンションを2026年9月に売却する場合、実質的な所有期間は5年を超えます。しかし実際は「2026年1月時点」の年数でカウントされるため、5年未満とみなされ税率が高くなります。
シミュレーション
4つのパターンで具体的に試算します。
【共通条件】
購入価格:5,000万円(うち建物3,000万円・土地2,000万円)
購入時の諸費用(仲介手数料など):250万円
売却価格:6,000万円
売却時の諸費用(譲渡費用):200万円
構造:RC造(償却率0.015)・自己居住用マンション
パターンA:所有7年(長期)・特例なし
① 減価償却費
3,000万円 × 0.9 × 0.015 × 7年 = 283.5万円
② 取得費
5,000万円 - 283.5万円 + 250万円 = 4,966.5万円
③ 譲渡所得
6,000万円 - (4,966.5万円 + 200万円) = 833.5万円
④ 税額(所有7年 → 長期譲渡所得・合計税率20.315%)
833.5万円 × 20.315% = 約169.3万円
特例を使わない場合、約169万円の税負担が発生します。1,000万円近い売却益でも、節税特例を活用するかどうかで手取り額が大きく変わります。
パターンB:所有7年(長期)・3,000万円特別控除あり
① ② ③ まではパターンAと同じ(譲渡所得 833.5万円)
④ 3,000万円特別控除の適用後
833.5万円 - 3,000万円 = 0円(控除額の範囲内のためゼロ)
⑤ 税額
課税譲渡所得 0円 → 税額 0円
自分が住んでいたマンションであれば、3,000万円特別控除により833.5万円の譲渡所得が全額控除され、税額はゼロになります。パターンAとの差額は約169万円。確定申告さえ忘れなければ、大きな節税効果が得られます。
パターンC:所有3年(短期)・特例なし
所有期間が売却年の1月1日時点で5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率が長期の約2倍になります。
① 減価償却費(所有3年)
3,000万円 × 0.9 × 0.015 × 3年 = 121.5万円
② 取得費
5,000万円 - 121.5万円 + 250万円 = 5,128.5万円
③ 譲渡所得
6,000万円 - (5,128.5万円 -+ 200万円) = 671.5万円
④ 税額(所有3年 → 短期譲渡所得・合計税率39.63%)
671.5万円 × 39.63% = 約266.1万円
所有期間3年では、減価償却費が少ない分だけ譲渡所得はパターンAより小さくなりますが、税率が約2倍(39.63%)になるため、税額は約266万円とパターンA(約169万円)を大幅に上回ります。
急いで短期のうちに売却すると、約97万円もの余計な税負担が生じる計算です。売却年の1月1日時点での所有期間を必ず確認しましょう。
パターンD:所有3年(短期)・3,000万円特別控除あり
パターンCと同じ短期譲渡でも、自己居住用マンションであれば3,000万円特別控除が適用できます。
① ② ③ まではパターンCと同じ(譲渡所得 671.5万円)
④ 3,000万円特別控除の適用後
671.5万円 - 3,000万円 = 0円(控除額の範囲内のためゼロ)
⑤ 税額
課税譲渡所得 0円 → 税額 0円
短期譲渡でも3,000万円特別控除の要件(自己居住用など)を満たしていれば、税額はゼロになります。ただし、売却前年・前々年に同じ控除を使っていないことが条件です。また、確定申告を行わないと控除は受けられないため、期限内の申告を忘れずに行いましょう。
上記4パターン比較まとめ
パターン | 所有期間 | 3,000万円控除 | 譲渡所得 | 適用税率 | 税額(概算) |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 7年(長期) | なし | 833.5万円 | 20.315% | 約169万円 |
| B | 7年(長期) | あり | 0円 | ─ | 0円 |
| C | 3年(短期) | なし | 671.5万円 | 39.63% | 約266万円 |
| D | 3年(短期) | あり | 0円 | ─ | 0円 |
※適用税率は所得税・住民税・復興特別所得税の合計です。
マンション売却で使える節税特例・控除

自分が住んでいたマンション(マイホーム)を売却する場合、税負担を大幅に軽減できる特例があります。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除
3,000万円の特別控除とは、「マンションを売却するときに発生する費用と税金」や前述したシミュレーションでも触れた、特別控除の特例です。マンション(マイホーム)を売却したとき、譲渡所得から3,000万円を控除できます。そのため譲渡所得が3,000万円を超えない限り、所得税・住民税・復興特別所得税が課されないという大きなメリットがあります。
ただし、この特例を利用すると、新居で住宅ローン控除を受けられなくなる場合があります。売却後に新居を購入するなら、3,000万円特別控除の特例と住宅ローン控除のどちらが有利になるかを考えて判断しましょう。
なお、3,000万円特別控除の特例を利用するには以下の要件を満たす必要があります。
- 売主が居住していた(している)物件であること
- 転居後に売却する場合、転居3年後の12月31までに売却すること
- 災害で家屋がなくなった場合、その日から3年後の12月31日までに敷地を売却すること
- 転居後に家屋を取り壊した場合、転居3年後の12月31日または取壊し後1年以内のどちらか早い日付までに売却すること
- 売却した年の前年および前々年にこの特例またはマイホームの買換えやマイホーム交換の特例、マイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例を利用していないこと
- 売り手と買い手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと
所有期間10年超の軽減税率の特例
自分が住んでいたマンションを所有期間10年超で売却した場合、3,000万円控除を適用した後の譲渡所得ではさらに低い税率が適用されます。
| 譲渡所得の金額 | 所得税率 | 住民税率 | 合計税率(復興特別税含む) |
|---|---|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 10% | 4% | 14.21% |
| 6,000万円超の部分 | 15% | 5% | 20.315% |
特定の居住用財産の買換え特例
マイホームとしていたマンションの譲渡所得にかかる税金の支払いを、買い換えたマイホームを売却するタイミングまで繰り越せる特例です。
例えば1,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売却し、7,000万円のマイホームに買い換えた場合は通常4,000万円の譲渡益が課税対象になります。しかし、この特例が適用されると売却した年分に譲渡益への課税が行われず、新しく買い換えたマイホームを将来譲渡するときにまとめて課税されるという仕組みです。
特定の居住用財産の買換えの特例を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 売主が居住していた(している)物件であること
- 売主の居住期間が10年以上で、売却した年の1月1日時点で家屋や敷地の所有期間が10年を超えること
- 転居後に売却する場合、転居3年後の12月31日までに売却すること
- マイホームを売却した年の前年から翌年までの3年間にマイホームを買い換えること
- 買い換える建物の床面積が50㎡以上、買い換える土地の面積が500㎡以下であること
- 売却した年の前年および前々年にこの特例またはマイホームの買換えやマイホーム交換の特例、マイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例を利用していないこと
- 売り手と買い手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと
参考:No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁
取得費加算の特例
売却するマンションが親から相続した物件の場合、そのマンションの取得費に相続税の一定額も加算できる特例です。この特例で取得費が高くなるため譲渡所得税額が抑えられ、相続でかかる税金による負担も軽減できます。
なお、取得費加算の特例を利用するには以下の要件を満たす必要があります。
- 相続や遺贈により財産を取得した本人であること
- その財産を取得した人に相続税が課されていること
- 相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年以内にその財産を譲渡していること
参考:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
マイホームを売却して損失が出たときの特例
マンションによっては、売却価格が購入当時の価格を下回って損をする場合もあります。しかし譲渡所得がマイナスになると、ある特例の利用が可能になります。

売却損が出たら「譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」
マンションの売却で損をすると、「譲渡損失の損益通算」や「繰越控除の特例」が利用できるようになります。これらの特例を利用すれば、損失分をある程度は取り戻すことが可能です。
詳細は後述しますが、マンションを買い替える場合と買い替えない場合で利用するための要件が異なります。
「譲渡損失」「損益通算」とは
譲渡損失とはマンションの売却価格が購入当時の価格を下回る(譲渡所得がマイナスとなった)状態のことをいいます。譲渡損失の金額がその年の所得より多く相殺できない、つまり赤字となった場合に翌年以降の所得から赤字分を差し引ける特例が「繰越控除の特例」です。ただし、繰越控除の特例で赤字分を差し引ける期間は最長で3年間となっています。
「損益通算」とは、譲渡損失になった場合給与所得や事業所得などの所得から損失分を差し引ける仕組みのことです。
また、売却する年の前年および前々年に損益通算や繰越控除の特例を利用していると、3,000万円特別控除の特例が適用されなくなるため注意しましょう。
譲渡損失の繰越控除を利用するための要件
譲渡損失の繰越控除を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 売主が居住していた(している)物件であること
- 転居後に売却する場合、転居3年後の12月31までに売却すること
- 売却した年の前年および前々年にこの特例またはマイホームの買換えやマイホーム交換の特例、マイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例を利用していないこと
- 所有期間が5年超であること
- 合計所得金額が3,000万円以内であること
また、買い替える場合と買い替えない場合でそれぞれ以下の要件も加わります。
【買い替える場合】
- 自宅を売却した年の前年1月1日から翌年12月31日までに新居を取得すること
- 新居を取得した年の翌年12月31日までに入居または入居見込みであること
- 買い換える建物の床面積が50㎡以上、買い換える土地の面積が500㎡以下であること
- 返済期間10年以上の住宅ローンを借りて新居を取得すること
【買い替えない場合】
- 売却の前日時点で売却住宅に返済期間10年以上のローン残高があること
- 売却価格が住宅ローン残高を下回っていること
参考:No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁
シミュレーション例
譲渡損失の繰り越し控除を利用する場合を仮定し、シミュレーションしてみましょう。
●シミュレーション条件
- 譲渡損失:2,500万円
- 所得:800万円(4年間で変わらないものとする)
①マンションを売却した年
マンションを売却した年は、所得に対して1,700万円の赤字が生じるため損益換算で「所得は0円」とみなされます。つまり、所得税や住民税(均等割はかかる)も0円になるということです。
800万円(所得)-2,500万円(譲渡損失)=-1,700万円
②マンションを売却してから2年目・3年目
前年は1,700万円の赤字となりましたが、2年目以降は前年の所得から繰越控除額からを差し引くという計算を繰り返します。
●2年目
800万円-1,700万円=-900万円
●3年目
800万円-900万円=-100万円
③マンションを売却してから4年目
先述の通り譲渡損失の繰越控除は最長で3年間の繰り越しが可能なため、売却した年と合わせて4年間の所得から損失分を差し引けます。
800万円-100万円=700万円
この場合、繰り越し控除額が100万円なので700万円の黒字が生じます。そのため4年目は「700万円の所得がある」とみなされ、その金額に応じた所得税と住民税が課税されます。
マンション売却で損をしないための節税チェックリスト
マンション売却時には、適用できる特例や控除を見落とすと税負担が大きくなる場合があります。売却前に以下の項目を確認しておきましょう。
□所有期間は「売却年の1月1日時点」で5年を超えているか(長期譲渡に該当するか)
□自分が住んでいたマンションか(3,000万円控除・軽減税率の前提条件)
□所有期間が10年超か(軽減税率の特例が使えるか)
□相続で取得したマンションか(取得費加算の特例が使えるか)
□売却損が出た場合、給与等との損益通算・繰越控除の適用を検討したか
□購入時の売買契約書・登記書類等を保管しているか(取得費の証明に必須)
□売却翌年の2〜3月に確定申告をする(特例適用には申告が必須)
マンション売却における税金・お金面での失敗事例5選

不動産の複雑な税制や専門的なルールを正しく把握していなければ、知らず知らずのうちに損をしてしまうリスクがあります。ここでは、マンション売却の際にありがちな税金・費用面の失敗事例を5つ紹介します。
購入時の売買契約書を紛失し、税金が跳ね上がった
マンションを購入した際の売買契約書は、取得費を証明する最も重要な書類です。この書類が手元にない場合、取得費を「売却価格の5%(概算取得費)」しか認められず、譲渡所得が大幅に増加してしまいます。
例えば4,000万円で売却した場合、概算取得費はわずか200万円となり、購入時の実際の価格が3,000万円であったとしても、その差額2,800万円がまるまる課税対象になってしまうケースがあります。購入時の契約書はしっかり保管しておきましょう。
所有期間のカウントを誤り、税率が約2倍になった
5年以上持てば税率が下がるという知識はあっても、正確な起算点を誤るケースがあります。所有期間は売却した年の1月1日時点での年数で判定します。つまり、購入から5年後の日付に売却しても、1月1日時点で5年を超えていなければ短期譲渡扱いになります。
短期と長期では税率がおよそ2倍違います(短期:約39.63%、長期:約20.315%)。売却のタイミングは暦年を意識して判断することが重要です。
期日までに確定申告をしなかった
3,000万円特別控除や軽減税率の特例など、節税効果の大きい特例を利用するためには、必ず確定申告が必要です。「税金がかからないから申告しなくていい」と思っていると、特例が適用されずに後から課税されるケースがあります。
確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日頃です。翌年の確定申告の期間内に申告できるように、早めに準備を進めておきましょう。
仲介手数料などの諸費用を計算に入れていなかった
「4,000万円で売れた!」と喜んでいたら、仲介手数料・司法書士費用・引っ越し費用などを差し引くと手元に残る金額が想定より大幅に少なかったというケースは珍しくありません。
仲介手数料だけでも上限は「売却価格×3%+6万円(税別)」です。4,000万円の売却であれば約138万円(税込)が目安となります。事前に総コストを試算した上で売却計画を立てましょう。
利用できる特例・控除を確認せずに売却した
特例の確認を後回しにした結果、数百万円の節税機会を見逃してしまうケースがあります。3,000万円特別控除・10年超軽減税率・取得費加算の特例など、要件を満たせば大きな節税につながる制度は複数あります。
売却を検討した段階で、税理士や不動産会社に相談し、自分に適用できる特例を事前に把握しておくことが重要です。
リースバックを活用したマンション売却と税金の関係
マンション売却時の税金負担や諸費用を抑えたい方には、近年注目されている「リースバック」という選択肢があります。ここでは、リースバックの仕組みと、マンション売却時に知っておきたい税金との関係を解説します。
リースバックでも3,000万円特別控除は使える?
リースバックとは、マンションを売却しながら賃貸借契約を結んでそのまま住み続ける方法です。
「売却後も住み続けるなら特例が使えないのでは?」と心配される方もいますが、リースバックでも要件(自分が居住している、親子などの特別な関係でない等)を満たせば、居住用財産の3,000万円特別控除は適用可能です。
一建設の「リースバックプラス+」なら仲介手数料が不要!
通常の仲介売却では、仲介手数料が発生します。しかし、一建設のリースバック「リースバックプラス+」は、一建設が直接マンションを買い取るため、仲介手数料がかかりません。
マンション売却の諸費用を大きく抑えながら、住み慣れたマンションにそのまま住み続けられるのが大きなメリットです。また、将来的に買い戻したい方向けのプランや短期間の家賃が無料になるプランなど、ライフプランに合わせた選択肢も用意されています。
資金調達・老後の生活費確保・相続対策など、さまざまな目的でご活用いただけます。まずはお気軽にご相談ください。
マンション売却後に必要な税金手続き
売却完了後は、翌年に確定申告を行います。

確定申告が必要なケース・不要なケース
必要なケース
- 売却益(譲渡所得)が発生した場合
- 3,000万円特別控除や軽減税率の特例など、各種特例の適用を受けたい場合
※3,000万円特別控除の適用を受けた結果、課税譲渡所得がゼロになった場合でも、特例を適用するためには申告が必要です(申告しないと特例が受けられません)
- 売却損が出て、損益通算や繰越控除の特例を利用したい場合
不要なケース
- 売却損が出て、かつ損益通算・繰越控除の特例を利用しない場合
確定申告の時期と必要書類
確定申告の期間は、売却翌年の2月16日〜3月15日ごろです。
必要書類は下記の通りです。
- 確定申告書・譲渡所得の内訳書
- 購入時および売却時の売買契約書のコピー
- 経費(仲介手数料、印紙税など)の領収書
- マンションの登記事項証明書
- 住宅ローン残高証明書
※マンション売却で損失(赤字)が出て、損益通算や繰越控除の特例を申請する場合のみ必要
- マイナンバーカード、本人確認書類
適用する特例や個別の状況によっては、上記以外の書類が必要になる場合があります。詳細は最寄りの税務署にご確認ください。
よくある質問
マンション売却の税金に税制優遇はありますか?
居住用かつご自身が実際に住んでいたマンションであれば、譲渡所得から一律3,000万円を控除できる「3,000万円の税制控除」の利用が可能です。譲渡所得が3,000万円を超えない場合、この特例を利用すれば所得税・住民税・復興特別所得税が課されません。
また、相続や遺贈されたマンションを売却する場合は「取得費加算の特例 」で譲渡所得税額を抑えたり、買い替えの場合は「特定の居住用財産の買換えの特例」で税金を納付するタイミングを遅らせたりできます。

マンションの売却で発生した税金はいつ払うのですか?
所得税や復興所得税は、マンションを売却した翌年の確定申告の期間中に納税します。確定申告の期間は、原則として2月16日~3月15日までです。2月16日や3月15日が土日祝の場合は翌平日となります。なお、申告時に振替納税の手続きをすれば4月頃に銀行口座から納税分が自動的に引き落とされます。
一方で住民税は、確定申告をした年の5月以降に市区町村から納付書が届きます。納付書を使って、一括払いか年4回に分割しての納税が可能です。所得税・復興所得税と納付タイミングが異なるため、忘れないよう注意が必要です。
まとめ
マンションの売却にかかる税金は、基本的には売却益(譲渡所得)に対して発生します。正確に計算するためには、建物部分の減価償却費を正しく算出することが重要です。
居住用マンションの売却であれば特例を活用して税金を抑えられますが、特例の適用には翌年の確定申告が必須です。
売却コストを抑えつつ、住み慣れた環境のままスムーズに資金化を行いたい場合は、仲介手数料が不要な 一建設の「リースバックプラス+」 も有力な選択肢としてご検討ください。

















