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リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージとは、自宅に住みながら自宅を担保にしてお金を借りられる住宅ローンの1種です。
契約者(借り入れた方)の存命中は自宅に住みながら利息のみを支払うのが一般的で、契約者が亡くなったときに相続人が担保である自宅を売却して借入金を返済する仕組みになっています。
一般的な住宅ローンに比べて毎月の返済負担が少ない点や、一括または分割で融資を受けられる点が特徴です。
リバースモーゲージを利用するとまとまった資金が調達できるため、老後の資金調達に不安を抱えるシニア世代に注目されています。
リバースモーゲージの罠・やばいと言われる理由とは?
リバースモーゲージは、自宅に住み続けながら融資を受けることができ、毎月の返済額は利息分のみなので生活にゆとりができます。しかし、メリットがある一方で、それぞれの資産状況によってデメリットやリスクも存在します。
以降で説明するように、金利上昇により家計が圧迫されたり、自宅を失ってしまったりすることがあります。これが、リバースモーゲージが「罠だ」「やばい」と言われる理由です。
リバースモーゲージをうまく活用するためには、デメリットとリスクをしっかり理解しておくことが大切です。
リバースモーゲージのデメリットやリスク

リバースモーゲージは、デメリットやリスクを理解したうえで利用するようにしましょう。リスクに備えて事前に準備しておくと、不測の事態が起きたときに適切に対処できるでしょう。
金利上昇により家計が圧迫される恐れがある
リバースモーゲージは、借入金に対して金利がかかり、その分を利息として毎月支払う必要があります。そして、リバースモーゲージの金利には変動金利型と固定金利型の2種類が存在しており、多くは変動金利型が採用されています。変動金利型は、金利が低くなれば利息が少なくなりますが、金利が上昇すると利息が高くなりその分毎月の支払いも増えるのが特徴です。
リバースモーゲージの契約期間中に金利が上昇すると、毎月の返済額が増加し生活費を圧迫するだけでなく、担保を売却しても借入残高を全額返済できなくなることがあります。リバースモーゲージを利用する場合は、金利上昇のリスクがあることを念頭に置き、契約時に余裕を持った返済スケジュールを計画しておきましょう。
長生きがリスクにつながる恐れがある
リバースモーゲージは一般的に、契約者が亡くなったあとに相続人が担保である自宅を売却して借入金を返済する制度です。ただし、金融機関によっては契約期間に制限を設けており、契約期間が終了したら元金と利息を一括返済しなければいけません。もし一括返済ができなければ、契約者が生きていても自宅を売却しなければいけないため、住む家を失うことになります。リバースモーゲージを利用していると、ときに長生きがリスクにつながる可能性があるのです。
契約者の死後、配偶者などの自宅がなくなる可能性がある
リバースモーゲージは、契約者が亡くなった際に元本を一括返済するのが原則です。現金で一括返済ができない場合は、担保としていた自宅を売却して一括返済しなければなりません。そのため、配偶者などの家族や同居人がいた場合は、住む家を失ってしまう可能性があるのです。
法定相続人に借金が残る恐れがある
リバースモーゲージでは、契約者が亡くなったあとに自宅を売却して借入金を返済します。このとき、不動産評価額が借入額に満たないと借金が残り、法定相続人に返済義務が生じる点がリスクといえるでしょう。そのため、リバースモーゲージを契約する際には、法定相続人全員の同意が必要な場合があります。
評価額低下により契約者が存命中に返済が生じる恐れがある
リバースモーゲージでは自宅を担保としており、定期的に担保不動産の評価額を見直します。不動産評価額が下落した場合、融資限度額も減少してしまいます。契約当初、融資限度額に近い金額を借り入れし、その後評価額が下落してしまうと融資限度額を超えた借り入れとなり、契約者が存命中でも差額の返済を求められることがあります。
借入限度額が自宅の担保価値より少ない傾向がある
リバースモーゲージの融資限度額は、担保にする自宅の不動産価値によって決められます。融資限度額は金融機関によって変わりますが、自宅の価値が将来的に下がるリスクを考慮し不動産評価額の50%〜70%となるのが一般的です。通常の住宅ローンの融資限度額よりも低くなる傾向があり、そもそも地方エリアやマンションを担保の対象外としている金融機関も多いため注意しましょう。
リバースモーゲージの罠を回避する方法

ここまでリバースモーゲージのデメリットやリスクを解説しました。「リバースモーゲージはやはり罠だ、やばい」と不安になるかもしれませんが、次の方法を試すことでデメリットやリスクを回避できる可能性があります。
メリットとデメリットを比較する
リバースモーゲージにはデメリットやリスクがありますが、もちろんメリットも存在します。住み慣れた自宅に住み続けながら融資を受けられる点、毎月の返済額は利息分のみで良い点などはメリットといえます。
リバースモーゲージを利用する際は、自分の状況を全体的に整理したうえで、メリットとデメリットの比較を確認して利用するようにしましょう。
事前に資金計画をしっかり立てる
リバースモーゲージには返済の義務があります。融資を受ける際は使用用途や使用限度額をあらかじめ決めておき、返済までを十分に意識して利用するようにしましょう。
また、前述のとおりリバースモーゲージは金利が上がれば毎月の利息の支払い金額が増えます。これを念頭に入れ、余裕を持った資金繰りを心がけてください。
遺された家族への負担を減らす方法で契約する
リバースモーゲージを利用したいけれど家族の同意が得られない場合や、家族への負担を減らしたい場合は、同意がなくても融資を受けられるタイプの商品を探すと良いでしょう。また、自宅の売却代金で完済できなくても法定相続人に残債務の返済義務が発生しないタイプのノンリコース型を選んだり、配偶者を連帯保証人・連帯債務者にすることで契約者が亡くなったあとも配偶者の住まいが確保できるリバースモーゲージ型住宅ローンを利用することで家族への負担を減らすことができます。
リバースモーゲージ以外で資金を確保する方法
資金を確保する方法は、リバースモーゲージだけではありません。リバースモーゲージと類似した不動産活用手法として、「リースバック」があります。
リースバックは、自宅を売却して一括でお金を受け取り、売却後は不動産会社と賃貸契約を結んで毎月家賃を払うことで自宅に住み続けられる商品です。リバースモーゲージとは異なり借金を負う心配はなく、基本的に一括でお金を受け取ることができます。また、自宅を出るときは不動産会社との賃貸契約を解除するだけで良いのです。借金を負うことに抵抗がある方や、まとまった資金を準備したい方、数年以内に高齢者向け住宅や別の賃貸物件への転居計画がある方は、リースバックが適しているでしょう。
リバースモーゲージとリースバックは、それぞれにメリットとデメリットがあるため、特徴を理解したうえでご自身に合ったものを選択することが大切です。
リバースモーゲージを正しく理解し罠を回避しましょう!
リバースモーゲージが罠だ・やばいと言われる理由は、金利上昇による家計の圧迫や自宅を失ってしまう可能性があるなど、いくつかのデメリットやリスクがあるからです。
事前に資金計画をしっかり立てたり、家族への負担を減らす方法で契約することで、リバースモーゲージの罠を回避できます。
デメリットやリスクが原因でリバースモーゲージの利用を躊躇している方は、リースバックを検討してみてください。リバースモーゲージとリースバックには異なる点があるため、後悔がないよう、それぞれの特徴をしっかり把握したうえで、メリットとデメリットを比較して利用するようにしましょう。
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