住み替えでは物件の購入費用に加えて、仲介手数料や引っ越し費用、税金など多くの費用が発生します。資金計画を立てずに進めると、予想外の出費に悩むこともあるため、事前の準備が欠かせません。
あらかじめ費用の相場を把握し、ポイントを押さえて進めることで、住み替え費用を大幅に抑えられます。
この記事では、住み替え費用の内訳や相場・節約のポイントなどを詳しく解説します。住み替えの費用面に不安を感じている方や、経済的な負担の少ない方法で住み替えを実現したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX
【令和7年6月最新】「新居の購入費用」の平均価格
住み替えでは、新居の購入費用が費用全体のなかでも大きな割合を占めます。令和6年度の物件購入費用の平均価格は、以下の表のとおりです。
| 住宅形態 | 平均購入費用 |
| 注文住宅(※土地の購入資金を含む) | 6,188万円 |
| 分譲戸建て住宅 | 4,591万円 |
| 分譲集合住宅 | 4,679万円 |
| 既存(中古)戸建て住宅 | 2,917万円 |
| 既存(中古)集合住宅 | 2,919万円 |
新居の購入費用は住むエリアや環境などにより変動しますが、住み替え先の住宅形態によって、購入費用に大きな差が生じるのも特徴の一つです。特に、注文住宅は土地の購入資金も含まれるため、他の住宅形態に比べて平均購入費用が大幅に高くなる傾向がみられます。
さらに、住み替えでは新居の購入費用以外にも、さまざまな関連費用がかかります。
参照:国土交通省住宅局「令和6年度住宅市場動向調査報告書」
住み替え費用は主に「売却・購入諸費用・その他」の3つに分けられる
住み替え費用は、大きく分けて「旧居の売却費用・新居の購入諸費用・その他の関連費用」の3つに分類できます。各費用の内訳を把握しておけば、資金計画の見通しが立てやすくなります。
ここでは、住み替えにかかる3つの費用をそれぞれ詳しく解説します。
旧居の売却費用
住み替えでは、旧居の売却費用がかかります。旧居の売却費用の内訳は、以下の表のとおりです。
| 費用項目 | 特徴 | 費用の目安 |
| 仲介手数料 | 旧居の売却を仲介した不動産会社に支払う手数料 | (売却価格×3~5%)+ 2~6万円+消費税 |
| 印紙税 | 売買契約書に使用する印紙の費用 | 1~6万円 ※売却価格により異なる |
| 譲渡所得税(住民税・復興特別所得税) | 旧居の売却で得た利益に対して支払う税金。 旧居の売却価格 −(取得費+売却の諸費用)で算出。 |
譲渡所得の15~30% ※売却した年の1月1日の土地・物件の保有期間により異なる |
| 住所変更登記費用 | 売却予定の旧居と現住所が異なる場合に必要 | 1~2万円 |
| 住宅ローン残債の返済費用 | 金融機関に支払うローンの一括返済手数料や、司法書士へ支払う抵当権抹消費用 |
一括返済手数料:無料~5万円(金融機関により異なる) 抵当権抹消費用:1,000~2万円 |
旧居の売却費用は、一般的に売却価格の5~7%とされています。なかでも大きな割合を占めるのは仲介手数料で、旧居の売却価格が2,000万円の場合、66万円+消費税がかかります。
参照:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」
参照: e-Gov 法令検索「印紙税法」
参照:国税庁「土地や建物を売ったとき」
新居の購入諸費用
新居の準備には、新居の購入費用以外にもさまざまな諸費用が必要です。新居の購入諸費用の内訳は、以下の表のとおりです。
| 費用項目 | 特徴 | 費用の目安 |
| 仲介手数料 | 新居の購入を仲介した不動産会社に支払う手数料※中古物件を購入する場合のみ | (購入価格×3~5%)+ 2~6万円+消費税 |
| 印紙税 | 売買契約書に使用する印紙の費用 | 1~6万円※購入価格により異なる |
| 保険料 | 火災保険や地震保険への加入費用 | 保険会社により異なる |
| 登記費用 | 不動産の登記をする際に必要な手続き費用 | 司法書士や不動産会社により異なる |
| 不動産取得税 | 不動産取得の際にかかる地方税 | 課税標準額(固定資産税評価額)×3% |
新居の購入費用は、一般的に購入価格の5〜8%とされています。旧居の売却費用と同じく、仲介手数料の割合が大きいのが特徴です。
参照:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」
参照: e-Gov 法令検索「印紙税法」
参照:主税局「不動産取得税」
その他の関連費用
住み替えでは、旧居の売却費用や新居の購入費用に加えて、引っ越しや仮住まいの費用が発生します。主な内訳は、以下の表のとおりです。
| 費用項目 | 特徴 | 費用の目安 |
| 仮住まい費用 | 仮住まいを始めるまでにかかる費用や仮住まい中の生活費用 | 50~60万円※仮住まい期間により異なる |
| 引っ越し費用 | 自宅や仮住まいから新居に引っ越すための費用 | 7~35万円※荷物量や移動距離・引っ越し時期により異なる |
| 家具・家電などの一時保管費用 | トランクルームや荷物預かりサービスを利用した際に発生する費用 | 月数千円~3万円※利用サービスにより異なる |
仮住まいの滞在期間で大きく変動する費用です。工夫次第で費用を抑えることができる項目でもあります。
住み替え費用を抑える4つのポイント
住み替えにはさまざまな費用がかかり、新生活を始められる反面、経済的負担が重くなるのが難点です。そんな住み替え費用は、工夫次第で削減が可能です。
ここでは、住み替え費用を抑えるポイントを4つ紹介します。
仮住まい費用を抑える
住み替え費用を抑えたい場合は、仮住まいにかかる費用を削減する方法があります。仮住まい費用を抑える際は、売却と購入のタイミングをできるだけ近づけるのが成功のカギです。
特に「売り先行」の場合、自宅を売却して得た資金を新居の購入費用に充てられるメリットがありますが、仮住まいが必要となります。仮住まいを探す費用や賃料がかかるでしょう。
仮住まいの費用を抑えるには、旧居と新居の引っ越し日をできるだけ同日に設定するのがおすすめです。仮住まい費用の削減につながるだけでなく、住宅ローンの返済が一時的に重なるリスクも回避できます。
計画的なスケジュール調整は、コストの削減とスムーズな住み替えの両立ができるでしょう。
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引っ越しのコストを削減する
住み替え費用を抑えるには、タイミングを見極めて引っ越しをするのも重要なポイントです。引っ越し時期を工夫すれば、コスト削減が期待できます。
繁忙期と呼ばれる3月や4月は、通常期の5月から2月に比べると引っ越し費用が高くなるのが一般的です。特に移動距離が長くなるほど、差額は大きくなると考えられます。
住み替えのスケジュールに余裕がある場合は、繁忙期を避けて通常期に引っ越しするのが良いでしょう。荷物の量をできるだけ減らすことも費用削減につながるため、不要な家具や家電は事前に処分しておくのもおすすめです。
引っ越し費用をできるだけ抑えたいと考える方はラクいえ売却の引っ越し代サポート制度をご活用ください。
新居への引っ越し代をかけずに住み替えが進められます。引っ越し業者の手配が不要なため、手間をかけずに住み替えができるのもメリットの一つです。
減税措置を利用する
住み替えには「譲渡所得税」と呼ばれる税金がかかりますが、一定の条件を満たせば税金が軽くなる制度(減税措置)を利用できます。住み替えで活用可能な減税措置は、主に以下の3つです。
- 3000万円特別控除
- 買い替え特例
- マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例
旧居の売却で出た利益が3,000万円以内の場合は「3,000万円特別控除」が利用可能です。所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除が適用されます。
また、旧居の売却価格よりも新居の購入費用が高い場合は「買い替え特例」の利用が可能です。
買い替え特例は譲渡所得税の支払いを繰り延べられるため、住み替え時の資金負担を一時的に軽減できる制度です。税金が免除されるわけではないため注意しましょう。
そして、旧居の売却で損失をした場合は「マイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」が受けられます。損失分はその年の所得から差し引くことができ、控除しきれなかった損失は翌年以降に繰り越すことも可能です。
上記の制度を利用すれば数十万円以上の節税につながる可能性があります。
ただし、制度を活用するにはそれぞれで定められた条件を満たさなくてはならず、確定申告も必要です。
参照:国税庁 「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
参照:国税庁 「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」
参照:国税庁 「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
不動産会社の「住み替えシミュレーション」を活用する
住み替えシミュレーションを活用すれば、売却や購入にかかる諸費用を含めた全体の資金を事前に把握できます。費用面の不安が軽くなり、住み替えもスムーズに進みます。
例えば、住み替えシミュレーションを通じて引っ越し費用や諸費用の目安を知ることができれば、事前に必要な資金の確保ができ、想定外の出費に慌てるリスクを減らせるでしょう。住み替え知識の豊富なスタッフから具体的なアドバイスを受けられるため、ローンの組み方を見直し、不要な出費の軽減にもつなげられます。
安心して住み替えを進めたい方は、シミュレーションを活用して費用面の不安を解消しましょう。
住み替えシミュレーションの利用を希望する方は、以下のページをご活用ください。
住宅ローンの残債があっても住み替えは可能
住宅ローンが残っていても、条件を満たせば住み替えはできます。ただし、旧居の売却額と自己資金の合計よりも住宅ローンの残債が多い場合は、抵当権が抹消できず住み替えが困難となるケースが考えられます。
旧居の売却額と自己資金の合計でローンを完済できない場合は、「住み替えローン」や「ダブルローン」を活用して、資金面の問題を解決する方法を検討しましょう。
例えば住み替えローンは、旧居のローン残債と新居の購入費をまとめて借り入れる仕組みです。手続きが一本化されるため返済計画が立てやすいですが、一般的な住宅ローンに比べて金利が高く、金融機関の審査が厳しいのが特徴です。
また、ダブルローンは住宅ローンの残債とは別に新たなローンを組む方法をいいます。一定の収入や返済能力が求められますが、選択肢の一つとして活用されています。
住宅ローンの残債を抱えていても、住み替えをあきらめる必要はありません。資金状況に合わせて制度を上手に活用し、無理なく住み替えを進めましょう。
まとめ
住み替えには新居の購入費用だけでなく、旧居の売却費用・新居の購入諸費用・引っ越しや仮住まいにかかる費用など、さまざまなコストが発生します。平均価格を参考にしつつ、各項目の費用相場や特徴を正しく把握することが、無理のない資金計画の第一歩です。
減税制度や住み替えシミュレーションなどを上手に利用して、住み替え費用の削減を図りましょう。
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