近年は、安心して自分らしく暮らせる老後を実現するために、住み替えを検討する方が増えています。
住み替えの方法は人それぞれ異なり、戸建てやマンション、賃貸か購入かなど選択肢は多岐にわたります。高額な費用がかかることもあるため、後悔しないためには早めの資金計画が大切です。
この記事では、後悔しない老後の住み替えを実現するために、ベストなタイミングの見極め方やライフスタイルに合った住まいの選び方、無理のない資金計画の立て方まで詳しく解説します。住み替えにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
老後の住み替えを考えるタイミングとは
日本人の平均寿命は80歳を超え、定年後の20年・30年をどう過ごすかがこれまで以上に重要なテーマとなっています。老後を安心して暮らすためには、心身の状態やライフスタイルに合った住環境を整えることが欠かせません。
ここでは、住み替えを実施する年代や住み替えを決断するきっかけなどを、詳しく見ていきましょう。
老後の住み替えは「60歳以上」で実施する割合が多い
国土交通省住宅局の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、老後の住み替えは多くの方が60歳以降におこなっていることが明らかになっています。
なかでも、注文住宅・分譲集合住宅(マンション)・既存(中古)戸建住宅の順に、60歳以上での住み替え割合が高い傾向があります。ライフスタイルや健康状態、将来の介護などを見据え、自分に合った住まいを選ぶ方が多いようです。
なお、分譲戸建住宅に限っては、40代での住み替えが比較的多い傾向があります。
住み替えを決断する2つのタイミング
住み替えを決断するタイミングは、主に以下の2つの時期です。
- 体力や経済力のある50代頃
- 家のリフォームや建て替えが迫ってきた頃
50代は、定年を迎える60代に比べて体力があり、収入も安定している時期です。加えて、子育てが落ち着き、自分自身や夫婦の将来を見つめ直しやすいタイミングでもあります。
そのため、50代は新しい暮らし方を検討するのに、まさに適した年代です。
また、築年数が進み家の修繕や建て替えが必要になったときに、住み替えを決断する方もいます。高額なリフォーム費用をかける代わりに家を売却し、現在の暮らしに合った住まいへ移るのも一つの方法です。
老後の住み替え方法
ここでは、老後のライフスタイルに合わせた住み替えの選択肢を5つ紹介します。戸建てやマンション・シニア向け住宅など、それぞれの特徴やメリットを見ていきましょう。
戸建て:自由度の高い生活環境を手に入れる
戸建てはマンションに比べて制約が少なく、自由な暮らしができるのが魅力です。
例えば、動物の飼育に制限がないため、大切なペットと一緒に穏やかなシニアライフを送れます。庭を自由に活用し、ガーデニングや家庭菜園を楽しむのも良いでしょう。
また、階下への騒音を気にせず過ごせるのもポイントです。孫が遊びにきたり親戚が集まったりしても、のびのびと過ごせます。
一方で、戸建ては維持費がかかりやすく、屋内での階段の上り下りが必要になる点には注意が必要です。手すりの設置や段差対策など、安全面の工夫が求められます。
さらに、将来的な免許返納を見据えて、車がなくても生活しやすい立地を選ぶことも大切です。
マンション:サイズを下げて利便性を高める
少人数で安心・快適に暮らしたい方には、コンパクトなマンションへの住み替えがおすすめです。
マンションはオートロックや防犯カメラなどのセキュリティ設備が充実しており、戸建てに比べて防犯面の安心感があります。
また、段差の少ない構造やエレベーターの設置により、階段の上り下りによる負担が少なく、年齢を重ねても暮らしやすい環境が整っています。コンパクトな間取りは1人や夫婦での生活にちょうど良く、利便性の高い立地なら資産価値を保ちやすいのもメリットです。
ただし、マンションは上下左右に住戸が隣接しており、生活音のトラブルが生じる可能性があります。静かな環境に慣れている方は注意が必要です。
生活スタイルに合わせて、ペットの可否や駐車場の有無など、事前に条件を確認しておきましょう。
シニア向け住宅:充実したサービスで安心感を得る
介護が必要なほどではないけれど、自立した暮らしに不安を感じ始めた方には、シニア向け住宅がおすすめです。シニア向け住宅は介護サービスが充実しており、主に以下の2種類にわかれます。
シニア向け住居の種類 | 契約方式 | 主な特徴 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 賃貸 | ・一般的なマンションに近い住まい・バリアフリー構造や見守りサービスの充実 ・必要に応じて介護支援が受けられる |
シニア向け分譲マンション | 購入 | ・オプションで食事や介護などの生活支援サービスが受けられる ・入居に年齢制限がある場合が多い ・資産として保有できる |
どちらも同世代の入居者が多く、自然と人との交流が生まれやすい環境です。孤立を防ぎたい方にも適しています。
ただし、ペットの飼育禁止や来客制限、共有スペースの細かなルールなどが設けられている場合もあり、人によってはストレスを感じるかもしれません。
また、費用は一般的な住宅より高く、要介護度によっては退去を求められることもあるため、将来を見据えて慎重に選びましょう。
リフォームや建て替え:住み慣れた環境をより快適にする
長年暮らした土地や住まいに愛着がある場合は、住み替えではなくリフォームや建て替えを選ぶ方法もあります。周囲の人間関係や生活リズムを保ちながら、快適な住環境を整えられるのが魅力です。
リフォームは必要な箇所だけに手を加えるため、費用を抑えながら生活スタイルに合った間取りや設備を導入できます。
一方で、建て替えは段差の少ない設計や断熱性の高い住宅にするなど、老後に備えた住まいづくりが可能です。立地や予算によっては、賃貸併用住宅として家賃収入を得ることも検討できるでしょう。
ただし、建て替えの場合は工事中の仮住まいの検討や高額な費用が発生する点には注意が必要です。立地や予算をしっかり見極めて判断しましょう。
親族と同居:家族のサポートを受けながら暮らす
老後の住み替え方法として、子どもや親族との同居を選ぶケースもあります。
身近に頼れる存在がいれば病気やケガなどの際にも安心で、孤独を感じにくい点が大きなメリットです。日々の家事や育児を協力し合えるのも同居ならではの利点でしょう。
自治体によっては、同居にかかる引っ越し代や仲介手数料を補助する制度もあり、経済的負担を軽減できます。
ただし、生活リズムや価値観の違いからストレスが生じることも考えられます。近しい関係だからこそ思いやりや距離感を大切にし、役割分担やプライバシーのルールを事前に話し合っておきましょう。
老後の住み替えは「早めの資金計画」がポイント
老後の住み替えを成功させるには、早めの資金計画が欠かせません。
特に、収入が安定している現役世代のうちに、住宅ローンを活用するのがおすすめです。無理のない返済計画で、生活にゆとりを持たせやすくなります。
退職金や貯金は、老後の医療や介護に備えるための重要な資金です。住み替え費用としてすべてを使わず、手元に一定額を残しておくことで安心感が得られます。
また、現在の住まいを売却する場合は、価値が下がる前に動くのがポイントです。築年数が進むと売却価格が下がる傾向があるため、価値があるうちに手放すことで住み替え費用の一部に活用できます。
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老後の住み替えに失敗しないためのコツ
老後の住み替えを失敗しないためには、思いつきや勢いだけで決断するのではなく、事前の情報収集と冷静な判断が重要です。ここでは、スムーズに住み替えを進めるために押さえておきたいコツを2つ紹介します。
現住居の資産価値を調べる
老後の住み替えの失敗を防ぐには、現在の住まいの資産価値を事前に確認しておくことが重要です。
不動産の価値は市場の状況により日々変動します。複数の不動産会社に査定を依頼すれば相場をつかみやすくなり、適正な売却価格の判断にも役立ちます。
査定結果をもとに修繕や改善を施すことで、売却価格を引き上げられる可能性もあるでしょう。
「ラクいえ売却」では無料査定を実施しています。自宅の資産価値を手軽に知りたい方は、ぜひご活用ください。
1人で決断しない
老後の住み替えは人生の大きな転機となるため、1人で決断を下さずに周囲の意見を取り入れるのが大切です。
例えば、家族や友人、すでに住み替えを経験した方に話を聞けば、実体験に基づくリアルなアドバイスが得られます。相続が関わる場合は、将来的なトラブルを避けるためにも、関係者との事前の話し合いが重要です。
多角的に検討を重ねると、自分にとって納得のいく住み替えのかたちが見つかるでしょう。
まとめ
老後の住み替えは、60歳以降の人生をより豊かに安心して過ごすための大きな決断です。理想のライフスタイルに合わせて、ベストな方法を選びましょう。
失敗を防ぐには、住み替え先を検討する前に現住居の資産価値を調べたり親しい人の意見を聞いたりするのが大切です。住み替えには高額な費用がかかる場合があるため、早めの資金計画で住み替えをスムーズに進めましょう。
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