家の売却を考えたとき「自宅がどのくらいの価格で売れるのか、相場を知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
売却相場を把握することは、適正価格の設定や損をしないタイミングでの売却につながります。
この記事では、家の売却相場を住宅タイプ別・地域別・購入価格別にそれぞれ解説します。現在の住居の相場を調べる方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
2025年5月時点で不動産価格は上昇傾向
国土交通省の調査によると、不動産価格指数は以下のとおり変動しており、全体を通してみると上昇傾向にあります。
| 年月 | 戸建て | マンション |
| 2020年5月 | 100.8 | 154.4 |
| 2021年5月 | 105.9 | 164.6 |
| 2022年5月 | 115.5 | 183.2 |
| 2023年5月 | 117.0 | 189.5 |
| 2024年5月 | 116.7 | 199.9 |
| 2025年5月 | 117.3 | 216.4 |
参照:国土交通省「不動産価格指数(令和7年5月・令和7年第1四半期分)を公表」
不動産価格が上昇している背景には、金融緩和によるインフレや円安などが影響しているといわれています。
ただし、不動産価格は今後も上昇し続けるとは限りません。適切な売却のタイミングや価格を判断できるようになるためにも、家の売却相場を知っておくことが大切です。
【住宅タイプ別】家の売却相場|戸建てとマンションを比較
住宅タイプ別に家の売却相場を解説します。
中古戸建ての売却相場
以下の表は、中古戸建ての売却相場を築年数別にまとめたものです。
| 築年数 | 首都圏における 平均売却価格 | 下落率 |
| 築0~5年 | 5,131万円 | – |
| 築6~10年 | 5,034万円 | 1.9% |
| 築11~15年 | 4,777万円 | 6.9% |
| 築16~20年 | 4,384万円 | 14.6% |
| 築21~25年 | 4,122万円 | 19.7% |
| 築26~30年 | 3,419万円 | 33.4% |
| 築31~35年 | 2,964万円 | 42.2% |
| 築36~40年 | 2,791万円 | 45.6% |
| 築41~ | 2,105万円 | 59.0% |
参照:公益財団法人 東日本不動産流通機構「中古マンション成約物件、築20年超の比率は全体の過半の53%」
表からわかるとおり、戸建ての価値は築16年以降に大きく下落し始め、築36~40年で約半分になります。できるだけ高く売却したい方は、早めの検討がおすすめです。
中古マンションの売却相場
以下の表は、中古マンションの売却相場を築年数別にまとめたものです。
| 築年数 | 首都圏における 平均売却価格 | 下落率 |
| 築0~5年 | 7,808万円 | – |
| 築6~10年 | 7,156万円 | 8.4% |
| 築11~15年 | 6,619万円 | 15.2% |
| 築16~20年 | 5,972万円 | 23.5% |
| 築21~25年 | 5,320万円 | 31.9% |
| 築26~30年 | 3,835万円 | 50.9% |
| 築31~35年 | 2,455万円 | 68.6% |
| 築36~40年 | 2,742万円 | 64.9% |
| 築41~ | 2,351万円 | 69.9% |
参照:公益財団法人 東日本不動産流通機構「中古マンション成約物件、築20年超の比率は全体の過半の53%」
表からわかるとおり、マンションの価値は戸建てよりも下落率が全体的に高く、築41年以降はわずか30%程度の価値しか残っていません。
築10年以内であれば、高値で売却できる可能性が高いため、現在住んでいるマンションの築年数と比較しながら、売却すべきタイミングを検討してみてください。
【地域別】家の売却相場|主要都市を比較
地域別の家の売却相場は以下のとおりです。
| 都道府県 | 戸建て | マンション |
| 北海道 | 1,787万円 | 2,052万円 |
| 東京 | 5,845万円 | 6,856万円 |
| 愛知 | 2,719万円 | 2,388万円 |
| 大阪 | 2,213万円 | 3,661万円 |
| 福岡 | 2,157万円 | 2,765万円 |
※2025年8月時点の平均売却価格
東京は主要都市のなかでも、戸建て・マンションともに売却相場が高くなっています。また、愛知県以外の主要都市は、マンションの売却相場が戸建てを上回っているのが特徴です。
【購入価格別】家の売却相場
下落率をもとに購入価格別で家の売却相場を解説します。
3,000万円で購入した戸建て・マンションの売却相場
3,000万円で購入した戸建て・マンションの売却相場は以下のとおりです。
| 築年数 | 戸建て | マンション | ||
| 下落率 | 売却相場 | 下落率 | 売却相場 | |
| 築0〜5年 | – | 3,000万円 | – | 3,000万円 |
| 築6〜10年 | 1.9% | 2,943万円 | 8.4% | 2,748万円 |
| 築11〜15年 | 6.9% | 2,783万円 | 15.2% | 2,544万円 |
| 築16〜20年 | 14.6% | 2,562万円 | 23.5% | 2,295万円 |
| 築21〜25年 | 19.7% | 2,409万円 | 31.9% | 2,043万円 |
| 築26〜30年 | 33.4% | 1,998万円 | 50.9% | 1,473万円 |
| 築31〜35年 | 42.2% | 1,734万円 | 68.6% | 942万円 |
| 築36〜40年 | 45.6% | 1,632万円 | 64.9% | 1,053万円 |
| 築41年〜 | 59.0% | 1,230万円 | 69.9% | 903万円 |
※築0~5年を基準値として算出
3,000万円で購入した物件は、築年数による価格の下がり幅も比較的抑えられており、条件によっては購入時に近い価格での売却も十分可能です。
4,000万円で購入した戸建て・マンションの売却相場
4,000万円で購入した戸建て・マンションの売却相場は以下のとおりです。
| 築年数 | 戸建て | マンション | ||
| 下落率 | 売却相場 | 下落率 | 売却相場 | |
| 築0〜5年 | – | 4,000万円 | – | 4,000万円 |
| 築6〜10年 | 1.9% | 3,924万円 | 8.4% | 3,664万円 |
| 築11〜15年 | 6.9% | 3,724万円 | 15.2% | 3,392万円 |
| 築16〜20年 | 14.6% | 3,416万円 | 23.5% | 3,060万円 |
| 築21〜25年 | 19.7% | 3,212万円 | 31.9% | 2,724万円 |
| 築26〜30年 | 33.4% | 2,664万円 | 50.9% | 1,964万円 |
| 築31〜35年 | 42.2% | 2,312万円 | 68.6% | 1,256万円 |
| 築36〜40年 | 45.6% | 2,176万円 | 64.9% | 1,404万円 |
| 築41年〜 | 59.0% | 1,640万円 | 69.9% | 1,204万円 |
※築0~5年を基準値として算出
4,000万円で購入した物件は、築年数によっては十分な売却価格が期待できます。相場と照らし合わせながら、売り時を逃さないようにしましょう。
5,000万円で購入した戸建て・マンションの売却相場
5,000万円で購入した戸建て・マンションの売却相場は以下のとおりです。
| 築年数 | 戸建て | マンション | ||
| 下落率 | 売却相場 | 下落率 | 売却相場 | |
| 築0〜5年 | – | 5,000万円 | – | 5,000万円 |
| 築6〜10年 | 1.9% | 4,905万円 | 8.4% | 4,580万円 |
| 築11〜15年 | 6.9% | 4,655万円 | 15.2% | 4,240万円 |
| 築16〜20年 | 14.6% | 4,270万円 | 23.5% | 3,825万円 |
| 築21〜25年 | 19.7% | 4,015万円 | 31.9% | 3,405万円 |
| 築26〜30年 | 33.4% | 3,330万円 | 50.9% | 2,455万円 |
| 築31〜35年 | 42.2% | 2,890万円 | 68.6% | 1,570万円 |
| 築36〜40年 | 45.6% | 2,720万円 | 64.9% | 1,755万円 |
| 築41年〜 | 59.0% | 2,050万円 | 69.9% | 1,505万円 |
※築0~5年を基準値として算出
高額な購入価格の物件ほど、同じ下落率でも価格の下がり幅が大きくなります。損失を抑えるためにも、築年数が浅いうちに売却のタイミングを見極めることが重要です。
家の売却価格を決める2つの要素
現在の住居が必ずしも相場通りの価格で売れるとは限りません。ここでは、家の売却価格を決める2つの要素を解説します。
築年数
築年数は、家の売却価格を決める要素の一つです。住宅タイプに関係なく、不動産は築年数の経過とともに価値も下がっていきます。
また、木造戸建住宅が22年、マンションが47年と減価償却年数がそれぞれ定められており、この年数を超えると建物の価値はほぼゼロになるといわれています。そのため、高く売却するには、建物の価値が下がり切らない築年数の浅いうちがおすすめです。
エリア・立地
家の売却価格を決める要素として、エリア・立地も重要です。例えば、周辺に商業施設や医療機関などが充実している人気エリアや駅から近い利便性の高い立地は、高値で売却できる可能性があります。
また、建物の価値は築年数とともに下がりますが、土地の価値は周辺環境の開発により高くなるケースも考えられます。
購入当時はなかった商業施設や駅が住居周辺に建設された場合、土地の価値が高まり、高値での売却が期待できるでしょう。
特に戸建ての場合は、建物と土地の価値が売却価格に反映されるため、周辺環境の変化は重要です。
家の売却相場を調べる方法
家の売却相場は、インターネットを使って簡単に調べることが可能です。
まずは、現在の住居と同じようなエリア・築年数・間取りなど、類似物件の価格を調べてみてください。まったく同じ条件の物件でなくても、大まかな相場感をつかむことができます。
また、国土交通省が提供している「不動産情報ライブラリ」も活用できます。不動産情報ライブラリは、地価や不動産取引価格、成約価格などを地図や住所から検索できるサービスです。ご自身に合った方法を選んで、売却相場を調べてみてください。
なお、正確な売却価格を知りたい場合は、専門業者への依頼がおすすめです。「ラクいえ売却」では、家の売却を含む効率的な住み替えをサポートしております。
無料で住み替えシミュレーションや面談もおこなっておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
家の売却相場に関する2つの注意点
家の売却相場に関する2つの注意点を解説します。
売却価格は常に変動する
築年数の経過とともに建物の価格相場は下がっていきます。一方で、エリアや土地の価値は周辺環境の開発によって高くなることもあるため、売却相場は常に変動するものです。
類似物件が1年前に2,000万円で売却されていたとしても、現在は1,000万円または3,000万円と大きく変動している可能性もあります。
過去のデータは、実際の売却価格とまったく異なるケースもあるため、できるだけ新しい情報をもとに売却相場を調査しましょう。
売り出し価格と成約価格は異なる場合が多い
売り出し価格は自分で決められますが、必ずしもその価格で成約できるとは限りません。
購入希望者は相場を把握したうえで探しているため、相場より高い価格で売り出した場合、価格交渉が入ることもよくあります。交渉に応じるかどうかは売り主の判断ですが、価格に折り合いがつかず売却期間が長くなることも珍しくありません。
そのため、売却相場や買い主の動向をふまえた、現実的な価格設定で売り出すことが大切です。
まとめ
不動産の価値は年々上昇しているものの、今後もこの傾向が続くとは限りません。そのため、家の売却相場を把握したうえで、適切な売却タイミングを見極めることが大切です。
また、家の売却相場は住宅タイプや築年数、エリア・立地などによって大きく変動します。大まかな売却相場であれば、インターネットで簡単に調査できるため、ぜひお試しください。
なお、正確な売却価格を知りたい方や、効率的な住み替えを実現したい方は「ラクいえ売却」の活用がおすすめです。
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